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更紗の場合/18

「さぁ…更紗…もう行って?」 「え?」 「もう俺は更紗に触れられない…」 「やだ…一緒にいる…」 「だめ。ね?」 「やぁだぁ…」 「そんな顔しないで?ね?いい子だから…更紗…苦しませてごめんね…ねぇ。あんたたち」 「ひっ…はい…」 「更紗を連れて行って?逃がして。ここには連れ帰らないで。いい?あんたたちの大切な人はきっと土方の会社の地下にいる。早く助けに行ってあげて?こちらから遠隔操作して鍵は外しておいたから。会社の人にはあんたたちが会社にたどり着くまでに俺から伝えておくから。さぁ!行って!!」 「いやぁぁぁぁぁ!!美芳っ!!いやぁ」 「更紗さん…耐えてください…」 「すいません…更紗さん…」 「うっ…」 男の拳が鳩尾に入り弱っていた俺はすぐに意識を手放した。暗闇のなかで最後に見えたのは美芳の優しい笑顔だった…

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