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更紗の場合/34

賢人の柔らかい笑顔を見てたら抱かれてみたいなって思った。 一度どんな風に抱くのか体験してみたかった。 ずっと智輝に抱かれる側だった賢人はどんな抱き方するのかな? きっと智輝と別れてから新たな恋人だっていただろうから慣れてる? あ…でも…今恋人が居るのならこの我が儘は交際相手に失礼だ… どうしよう…でも…眠れないし… 「更紗!長いけど平気?具合悪くなってない?ごめんね。開けるよ」 色々ぐるぐると考えていたらかなり長いこと入っていたようだ。 指先はしわしわだ… 「更紗平気?」 頷くと安心したように笑う 「お前が…まさか…こんなとこで…いや…なんでもねぇ…」 あぁ…手首でも切ってるんじゃないかって思ってた?人の家で自ら…?流石に人の家ではやらないよ…人の家ではね 「更紗。お前また変なこと考えてる?」 すごいなぁ…賢人…わかっちゃうんだ… 何でもないという意思を込めて首を横に振る。 よしっ。あがろ…立ち上がるとふらついた…あ…逆上せたみたい…気持ち…悪い… 「おいっ。更紗」 浴槽に沈みそうになる俺を賢人が抱き上げてくれた。そのまま意識を手放した

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