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更紗の場合/52
賢人side
落ち着いた更紗が甘えた声で名前を呼ぶ
「賢人ぉ…」
うん…可愛い…多分俺語彙力がヤバイことになってる…更紗見ると可愛いとか綺麗とかしか浮かばない…だって本当に可愛くて…綺麗だから…
もう悲しい涙なんて一人で流さなければいいな…
「ん。大丈夫だよ。ご飯食べられる?」
「食べたい…」
良かった…食べないって言われたら困るとこだった
「良かった。おいで」
「賢人…」
「なぁに?」
呼ばれて振り返ると少し頬を染めて照れたように俯いていた…そして…
「手…繋いでいい?」
え…!?え!?何?どうしたの?更紗…やば…可愛い…いいに決まってるでしょ…
「いいよ。はい」
遠慮がちにきゅっと握る更紗…もう…俺をどうする気…
「ふふっ…可愛いね。更紗」
チュッと額にキスをする。あ…しまった…ついやっちゃった…どうしよ…怒るかな…嫌だったかな?
恐る恐る更紗を見ると…あれ?照れてる?
「ん?照れてる?」
心の声出た…そんなわけないのにね
「照れてない…」
あれれ?あれ?反応が何か…え…っと…
「そう?」
動揺を抑えるように返事をする
短い会話をしてリビングの椅子へ腰を掛けさせた。
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