164 / 321

更紗の場合/53

創が昨日はオムライスは食べたと言っていた。更紗はオムライスとかオムレツとかが好きだと聞いたから更紗が好きなもののレシピを創に教えてもらった。 口にあったらいいんだけど… どうしよ…更紗無言だ…不安になり口を開く 「更紗オムレツとかオムライスとか好きなんでしょ?あいつが…創が言ってたから…昨日と同じはどうかなとは思ったんだけど…店のより旨くはないだろうし…」 やっぱ違うのがよかったかな?昨日と同じはやっぱりあれかな…どうしよぉ…更紗の返事を待っているとポツリと更紗が呟く 「食べる」 よかった…じゃあ…準備を…って… 「うん…えっと…更紗…」 「ん?」 「手…離してくれないと食べられないよ?」 「あ…ごめん」 そんなこと言ってるのにまだ離そうとしない更紗…ちょっとの悪戯心が生まれる 「…ん~…んじゃ、俺の膝に乗る?」 笑顔で言う。まぁどうせ罵倒されるだけだろうけどねって思ってたのに… 「うん!」 「うん…は?えっ!?」 え?え?あ…更紗…悪そうな笑顔で見てる…何か企んでる? 「ほら!早く座ってよ。乗れないじゃん」 「ええっ!?」 「だめ?」 上目遣い…あぁ…もう…完敗です…きっと一生更紗には敵わないな… 「うっ…わ…わかった…」 俺が座ったのを確認して向い合わせで膝に乗ってくる更紗…軽いなぁ…女の子より軽い…。ってぼんやり考えてたら更紗が思わぬ行動に出る…緩く腰を動かしてるし…もう…本当に… 「んっ…賢人ぉ」 感じてんの?色っぽい…押し倒したい…触りたい…そんな欲望を必死で抑える 「更紗…更紗…それじゃあ食べらんないでしょ?ほーら」 これ以上されたら困る…だから更紗を抱き抱えくるりと反転させる。本当はもう少し顔見ていたかったけど… 「ほら…あーん」 スプーンでオムレツをすくう。多分今更紗は甘えたいんだと思ったから 「え?ちょっ…」 あれ?思った反応と違う?やっぱり食べたくない? 「食べてくれないの?」 また不安が押し寄せてきて首を傾げ更紗を見る。目を潤ませながら…頬を染めながら更紗は言葉を発する 「食べる…食べるから…」 よかった… 「はい。あーん」 更紗が口を開けたときちらりと見えた舌がなんだかエロイ…って…俺何考えてるんだろ…最低… モグモグと咀嚼する更紗…やっぱり可愛い… 「どう?」 「美味しい」 「良かった。じゃ次はぁ…」 「賢人!賢人!」 「ん?」 「大丈夫…自分で食べられる…下ろして?」 もう少し食べさせたいなぁ… 「自分で座ったじゃん!」 「でも…下ろして?…恥ずかしい…」 そんな顔で見られたら言うこと聞くしかない… 「…もう…可愛い…仕方ないなぁ。よいしょ」 下ろされてホッと息を吐く更紗を見詰めた。

ともだちにシェアしよう!