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律の場合/4

空雅が俺に話しかける 「律」 「何?」 「琉輝さんが…最近毎日のようにミッチーに会いに来てること知ってる?」 「まぁ…ね…」 京にまた不安を与えないようそれはずっと隠していた 「あの人…何を思っているのか…今までミッチーに何もしていないところが逆に気になってさ…」 「…正直なところ…どうでもいい…僕は京が傷付かないのであれば他のことはどうでもいい」 「まぁ…律はそうだよね…」 「何がいいたいの?」 「何か事が起こる前にどうにかできないかって…」 「何で?何で?空雅がそこまでしてやる必要あるの?だって空雅はミッチーのこと嫌いでしょ?」 「何でかな?俺もわかんない。でも何か起こりそうな気がしてならなくてさ」 そんな話をして暫く経った…今僕と京の前には琉輝さんとミッチーがいて… 琉輝さんが俺たちに深々と頭を垂れ謝罪していた… 京はがたがた震えている。だから琉輝さんの表情は見えていない…でも…確かなものがそこにはあった。 この人は心から俺たちに謝罪している…口先だけじゃない…本当に悔いているんだ…これまでの己の行いを…こんなにこの悪魔を変えたのは他でもない…ミッチーなんだ… 震える京を見ていられなくて早々に帰ってもらった… 京は部屋に戻ると涙した 「怖かったね…大丈夫だよ」 京がこうして縋ってくれることが嬉しい その弱味に漬け込みこの日俺は京を物にした もう他には渡さない…本当に最低なやつだって自分でもわかってるけどどんな手を使ってでも京を手に入れたかった… やっと願いが叶った…本当は誰にももう会わせたくない。檻に閉じ込めてずっと繋いでいたい。俺しか見えないようにしていたい… そんなこと本当にするわけにはいかないからそこは我慢する… 絶対絶対離さない…

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