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律の場合/9

佐藤side あの日は亜咲斗さんはひどい客を相手にしていて疲弊していた。 「佐藤さぁん…疲れたぁ…もう…今日は誰とも会いたくない…」 「このあとの予定は入っておりませんのでゆっくり過ごして下さい」 「ん」 そんな状態だったのに琉輝様が現れた。謝罪をしに…今交際している智輝さまの友人と共に… 嫌な予感がした…良くないことが起こる気がした… そして…起こってしまった… 亜咲斗さんの部屋は琉輝さまの血に染まり待合室では二人分の赤い絨毯が広がっていた 「亜咲斗さん!」 「さと…さ…ごめ…さ…」 そのまま私の腕で息絶えた亜咲斗さんを胸に抱き連れ出した… 「なんで…貴方だけこんなに苦しめられなければならなかった…亜咲斗さんは何も悪くないのに…どうして…ねぇ…亜咲斗さん…愛していました…心から…お願いです…お願い…また名前を呼んで…」 叶わない願い…亜咲斗さんの亡骸と暫く過ごした後秘密裏に埋葬した。 海の見える桜の木の下へ… 海みたいにキラキラ光ってた…時に荒く時に穏やかに…桜のようにぱっと咲き散っていった貴方を私は生涯忘れないでしょう…

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