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律の場合/10
「そう…そんなことがあったんですね…亜咲斗…よかったね…君をこんなにも愛してくれる人に出会えて…亜咲斗…来世ではきっと…」
「律さま。」
「はい」
「これからも亜咲斗さんに会いに来てあげてください…私だけじゃもう飽きてしまってるかもしれないので」
「あははっ。亜咲斗ならそう言いそうだね。うん。また会いに来ます…」
その時風が俺たちの間を通り抜けた。
「亜咲斗…かな?」
「だといいですね」
花を手向け去っていく佐藤さんの後ろ姿を見送り俺もその場をあとにした。
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