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律の場合/11
「みっちー。まだ寝てるの?亜咲斗に会ってきたよ。亜咲斗のことちゃんと思ってくれる人に会えた」
みっちーの頭を撫でながら話す。
「いつまで逃げているつもりなの?いい加減に起きて。すぐ逃げるとこ…そういうとこ大嫌い…たくさんの人傷付けてきて自分はまだ戻らないなんて…都合よすぎるんじゃない?寝てるんじゃなくてお前が死ねばよかったんだ…お前がここに来なきゃ誰もこんな風にはならなかった。本当に…お前は疫病神だね。大嫌い…俺は必ず幸せになって見せるから。起きたとき悔しがればいい」
嫌い嫌い…
「律。そう言わないで」
「智輝…」
「元の元凶は俺だってこと忘れてない?そもそも俺が誰とも交際しなければ起こらなかったこと…ごめんね…律…」
智輝の言葉に何も言えなかった…
「路夏も俺に出会わなきゃ…」
違う…本当はわかってる…誰のせいでもないことくらい…
「ごめん…言い過ぎた…」
「律は悪くないよ」
「智輝俺ね…」
「うん…」
「京のことがずっと好きだった。智輝と付き合ってるときも…一番は京だった…」
「うん。わかってたよ。律が俺じゃなく京を見ていたことくらい…律は…京をとられたくなかったんでしょ。俺ね…律が嫉妬に歪む顔が堪らなく好きで…律が俺のこと本当は嫌だって顔するのが好きで。嫌がりながらも感じてる姿見るのが好きだったんだ。俺にも…両親と同じ血が流れてた…だってそうでしょ?嫌がり苦しむ姿に堪らなく興奮していたのだから。俺の一番のお気に入りは律たちだった。一番好きな顔が見れたんだから。最低なやつでごめんね」
智輝が顔を伏せる…そうだったんだ…智輝は全部気付いてて…
「智輝。」
「ん?」
「早く…ミッチー目が覚めるといいね」
「ありがと…」
智輝の本音を聞いてからは通えるときはミッチーの顔を見に行った。
一向に起きる気配はないけれど早く目覚めてほしい…
智輝が待ってるよ…智輝沢山苦しんできたんだ…早く…智輝を抱き締めてあげてよ
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