180 / 321

律の場合/11

「みっちー。まだ寝てるの?亜咲斗に会ってきたよ。亜咲斗のことちゃんと思ってくれる人に会えた」 みっちーの頭を撫でながら話す。 「いつまで逃げているつもりなの?いい加減に起きて。すぐ逃げるとこ…そういうとこ大嫌い…たくさんの人傷付けてきて自分はまだ戻らないなんて…都合よすぎるんじゃない?寝てるんじゃなくてお前が死ねばよかったんだ…お前がここに来なきゃ誰もこんな風にはならなかった。本当に…お前は疫病神だね。大嫌い…俺は必ず幸せになって見せるから。起きたとき悔しがればいい」 嫌い嫌い… 「律。そう言わないで」 「智輝…」 「元の元凶は俺だってこと忘れてない?そもそも俺が誰とも交際しなければ起こらなかったこと…ごめんね…律…」 智輝の言葉に何も言えなかった… 「路夏も俺に出会わなきゃ…」 違う…本当はわかってる…誰のせいでもないことくらい… 「ごめん…言い過ぎた…」 「律は悪くないよ」 「智輝俺ね…」 「うん…」 「京のことがずっと好きだった。智輝と付き合ってるときも…一番は京だった…」 「うん。わかってたよ。律が俺じゃなく京を見ていたことくらい…律は…京をとられたくなかったんでしょ。俺ね…律が嫉妬に歪む顔が堪らなく好きで…律が俺のこと本当は嫌だって顔するのが好きで。嫌がりながらも感じてる姿見るのが好きだったんだ。俺にも…両親と同じ血が流れてた…だってそうでしょ?嫌がり苦しむ姿に堪らなく興奮していたのだから。俺の一番のお気に入りは律たちだった。一番好きな顔が見れたんだから。最低なやつでごめんね」 智輝が顔を伏せる…そうだったんだ…智輝は全部気付いてて… 「智輝。」 「ん?」 「早く…ミッチー目が覚めるといいね」 「ありがと…」 智輝の本音を聞いてからは通えるときはミッチーの顔を見に行った。 一向に起きる気配はないけれど早く目覚めてほしい… 智輝が待ってるよ…智輝沢山苦しんできたんだ…早く…智輝を抱き締めてあげてよ

ともだちにシェアしよう!