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律の場合/12
それから更に時は過ぎたけどみっちーはまだ眠ってる…
亜咲斗…まだ目覚めないみっちーに何を思っているの?
「みっちーあのね。俺京と結婚することになったんだよ。もうね。俺の無理矢理…わがままなの。みっちー…早く智輝のわがまま聞いてあげて…」
「律。いらっしゃい。いつもお花ありがとう」
「智輝。ちゃんと寝てる?会社の方は相変わらず忙しいんでしょ?」
「うん。もうちょいかな?寝れるときは寝てるよ大丈夫」
「でもさぁ。目の下のクマすごいよ。綺麗な顔が台無し」
「あははっ。そう?自分じゃ思ってなかったな…」
「智輝…こんなときにごめん…」
「ん?」
「京と結婚することになった」
「そう。よかったね!おめでとう!!」
「…智輝…」
「良かった…二人が幸せになれるなら…俺散々酷いことしてきたし…心配してた…よかったよ。式とかもする?」
「うん」
「そうかぁ。俺は来れそうもないけど二人の幸せ願ってるね」
「ありがとう」
智輝の曇りない笑顔に安堵した。本当は悩んだ…友人がこんな状態なのに…って…でも…やっぱり俺は自分勝手で…京を手放さないようにこの手を使った。
「実は…妊娠してるの」
「そうなの?それはおめでたいね」
京に内緒で男でも妊娠できる薬を少し前から服用していた。
責任感の強い京は自分の子供がいたらちゃんと結婚してくれるってわかっていたから。
「そっかぁ。男性の妊娠は女性より大変なんだから無理しちゃだめだよ!」
「うん。ありがとう…」
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