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空雅の場合/12
ぼんやりする意識の中、久しぶりに智輝のことを話す。
八尋さんは静かに話を聞いてくれた
「そっかぁ。早く彼が目を覚ますといいね。ちゃんと話せたらきっと空ちゃんの中でも何かが変わるのかもしれないね。今度俺も智輝くんと路夏くんに会いに行ってもいいかなぁ?」
「…今度…ううん…これから一緒に来てくれる?」
「わかった」
何てことはない。智輝に八尋さんが新しい人だって伝えればきっと智輝は笑ってくれるはず…
「八尋さん。智輝を安心させるために僕の恋人の振りしてくれる?」
「それは構わないけど空ちゃんはそれでいい?」
「うん。いい」
そうして出掛ける準備をして八尋さんの車で病院に向かう。
きっとこの時間なら智輝がいるはずだから
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