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空雅の場合/48
「空ちゃーん!」
「美也さん?お仕事ですか?」
「ううん!お仕事帰り。そちらは…?
初めまして?…ん?んんっ?…
あぁぁぁぁ!!!久しぶりーシーちゃんじゃん」
「みーさん!」
「知り合い?」
「あぁ。昔一緒に遊んでもらってた。従兄弟の恋人」
「そうなんだぁ」
「元気してた?しーくん」
「相変わらずだよ」
「んー…あー…やっちゃん言ってたのしーくんか…」
「やっちゃんさん元気です?」
「ううん。今元気ないよぉ。なんか好きな人とうまく行かないみたいで。ねぇ?空ちゃん」
「そうなんですか?」
「今日も会ったらしいんだけどやっちゃんへたれでしょ?まぁたちゃんと話せず逃げ帰ってきたんだって」
「いい男だから自信持てばいいのに」
「ねぇ?僕もそう思います」
「…空ちゃん…ホントに…鈍感…」
「え?」
「これから君矢くんとデート?元気してる?」
「君ちゃん?元気だよ。連絡とってないの?」
「なんだかんだ忙しくて」
「そっかぁ。しーちゃんと空ちゃんは…恋人?」
「いえ…」
「あ!!そうそう!!」
否定しようとしたら上から言葉を被せられた
「ね?空雅?」
そして美也さんの前で俺にキスをした
「うわぁ…ラブラブ?」
「そゆとこ」
「へぇ…本当に?」
「みーさん?どうしたんです?」
「空ちゃんは恋人じゃないって顔してるけど?」
「…あはっ!ばれました?俺の完全な片想いです」
「紫水。そんな冗談やめてよ」
「えぇ?冗談じゃないけど?」
「ふむふむ…そっか…うん…まぁ仲良くね。じゃね」
僕たちに背を向け立ち去る美也さんを見送る
「…空ちゃん…モテすぎだぁ…シーちゃんのあれは…はぁ…やっちゃんにもシーちゃんにも幸せになって欲しいのに…流石に空ちゃんは半分こに出来ないしな…んー…困ったなぁ…」
そんな風に頭をかいていたことを僕は知らない
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