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空雅の場合/69

紫水side あれから数日。今日やっちゃんさんと会う日… もう…話すことなんてありはしないのに…同じ人を好きになって同時にフラれて…思ったよりダメージでかくて…この気持ちを共有したかったのかもしれない… 待ち合わせ場所にはあの頃と変わらないすっと背筋を伸ばし多くの人から送られている視線には全く気付かない無自覚男前の姿があった 「やっちゃんさん」 「…っ!!しーくん?」 「あはっ。驚いた?あの頃よりでかくなったし見た目こんなだしね」 「驚いた。でも…相変わらず美人さんだね」 「あなたに言われてもねぇ…お店予約してるんでいきましょうか」 個室の和食料理の店を予約してた。家にいれるのはなんとなく出来ないしやっちゃんさんの家に行くのも何だか憚られたから静かに話せる場所を選んだ 「失恋記念すね」 「言わないでよ…結構辛いんだから」 それはそうだろう…充の事をやっと思い出にできて好きになれた相手だったのだから。しかも誰のものにもならないと…好きにはならないと…本気になられたら困ると…ずっと言われてて想い押し込めていたのに終わった理由は好きな人と一緒にいたいって言う理由だったんだから… 俺が感じてた空雅の思い…話したところで今さらきっとどうにもならない…じゃあ…どうするの?

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