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空雅の場合/80
「僕に言われたって困ります。僕は八尋さんことはただのセフレとしか思っていなかったし僕が責任を追う必要なんて全くないですよね?」
「…そうだね。尤もな意見だよ。…でも…だったらどうしてそんな顔してるの?」
優しかった八尋さんしか知らない…最後に告白されたときだって最後まで優しかった…しっかりとした地位を持っているカッコいい男の人で時折子供みたいな無邪気なとこもあって…
そんな八尋さんが僕にとってはセフレというより…大切にしたい相手だった…
今さら気が付くなんてばかだなって思う。八尋さんは僕の支えだったんだって…
「空雅くん。君が萌葱を好きなのは事実なんだろう。でもね。それってどんな好きなのかな?…」
確かに萌葱のことは好きだ。誰にも渡したくないって思う。でもそんな子供みたいなこと萌葱には言えない。
知らず知らずのうちにお客さんと話しているときみたいに沢山沢山殻を被って当たり障りなく接していた…そんな自覚を今さらするなんて…
「それでも君は萌葱を選ぶ?君は幸せ?…」
「…っ…」
「…萌葱を支えられる人は多くいる。それが現実。でも清澄さんはどうなんだろうね?…」
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