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空雅の場合/88
八尋さんから聞いた話はさなえさんが話してくれたよりももっと酷いものだった…
「…みやを…傷付けた…」
これが一番驚いた。あんなに仲が良かったみやさんを?前の八尋さんからは全く想像できなくて…
「軽蔑…するよね?…それなのにこうして空ちゃんに会いに来て…」
泣きそうになる八尋さんの頭を抱いた…
「ごめんね…苦しかったね…僕が…僕がもっと早く…」
「空ちゃん…」
「八尋さん…八尋さん…ごめんね」
「空ちゃんは…何も悪くないでしょ…泣かないで…ごめんね…そんな顔させて。みやは…許してくれたんだ…あんなに…傷付けたのに…」
「みやさん…」
みやさんは凄いや…それだけ八尋さんを大切に思っているんだね…
僕に代わりは務まるかな?
「八尋さん…あの」
「ん?…」
「あのときの告白って…もう…無効ですか?」
「え?」
「僕…やっと…気付いたんです…僕は…八尋さんのことが…好きです…」
「はぇ?へ?え!?え?あれ?夢?これ夢?」
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