286 / 321

深雪の場合/2

散々イかされた挙げ句今度は拳が振り落とされた 「っく…」 「まだ寝るのは早いだろ?深雪」 「ごめ…なさ…」 「わかればいい」 男の気に入っている顔は殴られることはないけれど他のところはアザだらけ… 男から受けたものだけでなく関係を持つ者にも同じようにされるから僕の体が綺麗になることはない。 高校の時のほんの僅かの時間だけが僕には自由な時間だった。 琉輝さんに解放されてから卒業までの本当に僅かな時間だった。 結局保護者になっている叔父が卒業式の日そのまま僕を連れ去ってから僕はこの人のお人形でしかなくなった 叔父は僕が高校になり寮生活になってから直ぐ叔母とは離婚してそれからずっと独り暮らしだったこの広いマンション。 叔父の性癖が歪んだのは僕が初めて智輝に抱かれたあの日から。 叔父は自らも気が付かなかった性癖に気がついた。 誰かに抱かれた後の僕に興奮したのだ。 それから高校に上がるまで智輝と体を重ね帰宅した途端抱かれる。その様子を叔母は知っていながら見て見ぬふりをした。 そして高校からは寮に入らないとならなかったから叔父と体を重ねる回数は極端に減った。 その反動でなのか叔母がいるにも関わらず男を家に連れ込み散々楽しんでいたそうでそれに耐えきれなくなった叔母が叔父の元を去った そして現在…叔父はいろいろな伝手を持っていたので知り合いに僕を引き合わせ金を貰い僕を贄にしてはその日めちゃめちゃに… 解放されたのは翌朝だった。昨日帰宅したのが昨日の夜なので半日以上叔父に抱かれていたことになる。 叔父のタフさに笑える。 仕事に出掛けていった叔父を見送り牢屋のような鍵のかかったこの部屋のなかで次の客をとるまで休む。 もう起きたくないな…このまま命がつきたら楽になれるのに… もう泣くことも忘れてしまってただただ眠りに落ちて行く。 眠ると見る夢は高校時代の僅かな暖かい記憶…

ともだちにシェアしよう!