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深雪の場合/4
「おいで。ルイ」
「はい。」
息を飲んだ…叔父が僕に執着する理由がわかった瞬間だったから…
「僕に…似てる」
似てるなんてものじゃない…似すぎていて気味が悪いくらいだ
「ルイ…何で…」
「…久しぶり…マユ」
「…」
「やっと見付かったんだよ。私も苦労した…」
「マユ…会いたかった…ずっとずっと会いたかった…」
「…ルイ…ルイ…」
初めて見る叔父の涙に固まった。
「どうする?深雪をそれでもお前が側に置いておくの?ルイでなく?」
「マユ…僕…僕は貴方と生きていきたい…」
「…」
それからは僕の存在は叔父の中から消えたように叔父の視線は僕を一瞬でも捉えることはなくなった
目の前で突然始まった僕に良く似たルイと僕を散々な目に遭わせてきた叔父の愛情が目に見えそうなくらいの熱い熱い口付け。乱れながら寝室に消えて行った2人を無言で見詰めて呆然として…
僕はこの顔だったから…隣にいさせてもらえただけだった。その現実がなかなか受け入れられなくて…
「…ゆ…き!…み…深雪!!」
三徳さんの大きな声にやっと我にかえってどうしたらいいのかわからないままに三徳さんに抱きすくめられた
「これでやっと君を解放してあげられる…」
「僕は…これからどうしたらいいの?」
「私と共においで。明日私はアメリカへ発つんだ。これはチケット。それとこれは君への報酬」
「僕は…」
「私と共に来るかそのお金でこちらで生きるか。君が決めなさい。私は待っているから」
突如訪れた自由に戸惑い踞り髪を掻き毟る
「こら。深雪。きれいな髪をそんな乱雑に扱うんじゃない。深雪…私の天使…」
三徳さんは僕の手の甲に口付け部屋を立ち去った
僕にはもう1つしか道はない。
「三徳さん!僕も連れていってください」
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