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深雪の場合/10
由斗side
深雪から三徳さんの事を聞き調べた。
三徳さんは薬を盛られ自分の意思はもうなくなっていたことがわかった
主犯は教え子の男
深雪を襲ったのはその男の学友と教授の信頼していた助手たち…
深雪の美しさに魅入られた助手たちは簡単に男に協力した。
深雪を手に入れるため…三徳さんを手に入れるため。各々の希望が合致したゆえ起こったこと…
深雪に真実を告げるとその場で崩れ落ちた。もう随分と泣いていないと言っていた深雪の目から久しぶりに涙が溢れ出した
「行かなきゃ…三徳さん待ってる…」
「送ってく」
「ありがと…」
弱々しく笑う深雪を自宅へ送った。きれいに手入れされた庭。閑静な住宅街にある小さな真っ白な家。
深雪は小走りでかけていった。
良かった…深雪…
安堵して暫くそこに止まり息を吐き立ち去ろうとする。
「ゆう!!!」
まさにそこから離れようとした瞬間だった。
焦ったように足を縺れさせながら深雪が戻ってきた。只事ではないことは容易に理解できた
「三徳さんが…息してない」
「え…」
思った以上の衝撃…直ぐに病院に運んだのだがもう…手遅れだった…。
死因は…薬物中毒…過剰に摂取されていたためそのまま…
「あぁぁぁぁ!!!!!僕のせいだ!!!!」
何も言えなかった…ただただ泣き叫ぶ深雪を抱き締めることしか出来なかった…
それから深雪は魂を抜かれたようにぼんやりとすることしかできなくなっていた…まるでいつか見た壊れた人形のような姿…
自ら生を終えないよう会社に話してそれから深雪から片時も離れず側にいることにした。幸い会社側の理解があり急でわがままな願いをすんなりと受け入れてくれた
男とその仲間たちは後日皆逮捕されそして主犯である教え子の男は独房の中で自ら舌を噛みこの世を去った…。己の過ちに気付きどんなに悔いてももう遅いのだ…
何故俺の回りは皆こんなにも苦しまなければならないのか…彼らが何をしたと言うのか…神がもしいるのならばどうか…どうか彼らを苦しめないで…
智輝は未だ眠り続ける路夏を待っているし律と京はつい最近大切な我が子を失ったと聞いている。空雅は風俗業界に身を沈めている。更紗は目の前で恋人を亡きものにされそして今は行方不明となりどうしているのか全くわからない…
そして深雪は…
「何で…こんなことになるんだよ…」
何が悪かった?こいつらが何をした?わからない…理解できない…ねぇ…どうして…助けてよ…
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