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深雪の場合/12
由斗side
この日から時間を見付けてはベッドで肌を合わせ生活するようになった。仕事をするときも深雪を側に置き体のどこかしらは触れていた
それでも深雪は三徳さんを思い俺を見てくれることはなくて…俺を通して三徳さんを見ているようだった。
「ねぇ。ゆう。僕外に出てみようかな」
そういったのは突然の事。とても大きな嬉しい変化
「じゃあ庭に出てみようか?」
「…うん…」
恐る恐る踏み出す深雪。庭には色鮮やかな花々が咲き乱れていた。
「綺麗なお花…でもお庭…少しだけ荒れちゃってる…ねぇ。ゆう。僕お手入れしていい?」
「あぁ。助かるよ」
「よかった。僕のいる意味ができるかな?」
「お前は俺に求められてるからすでに意味あるよ?なぁに?今さら」
「ゆうはやっぱり優しいね」
「今の俺の生きる糧は深雪だからね」
「ありがと」
ほんの少しだけ口角が上がった深雪をみて泣きそうになる
「どした?ゆう」
「ん?ごみでも入ったかな?」
「平気?」
「うん。大丈夫」
「ゆう。ありがと…」
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