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深雪の場合/14
様々な色の花たちは一気に庭を明るくしてくれた。
「おはよう。今日も綺麗だねぇ。可愛いねぇ」
花たちに語りかけながら世話をしているとクスッと笑う声が聞こえた。
「むーっ…笑わないでよぉ。お花は話しかけると喜ぶって知らないのぉ」
「知ってるよぉ。でも語りかける深雪があまりにも可愛くてさ」
ゆうはそう言いながら庭に出てきて僕を後ろから抱き締め如雨露を持つ僕の手に大きなそれを重ねてそっと握った
「ふふ…深雪の笑顔が増えてすごくうれしい」
花を育てるようになってなんとなく気持ちに余裕が出てきてた。前よりご飯も食べられるようになったし夜の生活でも前よりゆうにサービス出来るようになった。確かに体力もついてきてる。
全部全部ゆうのお陰。まだたまに三徳さんのこと思い出しては涙が溢れてしまうこともあるけれどそれを止めるでも攻めるでもなくただゆうはそっと静かに寄り添ってくれる。
「ねぇ…ゆう。僕もう大丈夫だよ。お仕事行ってもいいよ?」
「いーやーだー!俺が深雪といたいの!」
子供みたいにそう言いながらそっと額にキスしてくれた
「深雪。大好き」
「うん…」
ゆうの気持ちはしっかり僕に伝わってるよ。でも怖いんだ…
「まだ怖い?人を好きになること」
「うん…怖い」
「うん。大丈夫だよ。俺ね前から待つの得意な人なの。」
「ゆう。ごめんね」
「いいよぉ!今は深雪がちゃんと俺を見てくれてるってわかってるからぁ。成長成長」
そう言ってくしゃくしゃと髪を撫でてくれる。すっごくくすぐったい。ゆう…ゆう…まだまだ弱い僕を許してね…
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