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深雪の場合/16
由斗side
「なぁ…ウィル…」
「うん…」
「「天使が2人並んで手繋いで寝てる…」」
ほんの少しだけ離れて後ろ姿をしっかり見ながら2人で話していたのだがまさかウッドチェアにかけて2人で寄り添いながら眠ってるのは予想外…
「…可愛すぎ…」
「…」
アルコールでほんのり朱に染まった頬。ぽっかり開いた口から可愛らしい舌が覗く。たまに身動ぎさらに密着する2人の姿…
「悪いが…帰るよ。」
「ほどほどにしておけよ」
「お前もな」
ぽんと肩を叩いて送り出す
「ジョン。帰ろ」
「んん…ウィルゥ…」
スリスリとウィルの気配を追ってすり寄る。そのせいで深雪が傾いたので俺も急いで側にいく
「深雪ーみーゆちゃん」
「んん…三徳さん…」
「…」
「ウィル、そんな顔すんな…大丈夫だから。な?」
「…ごめん…」
「ううん…わかってたことだから。それでも俺は深雪の側にいたいから…」
複雑そうな顔をするウィルはジョンを抱き上げ帰っていった。
「気を付けろよ」
もう一度そう言って
深雪を運びベッドに横たえる。さらりと広がる深雪のキラキラした金色の髪をそっと撫でる
「深雪…絶対に守るからね」
「んんっ…ゆぅ…」
「ごめん。起こしちゃった?」
「ゆぅ…2人は?」
「ジョンも眠っちゃったから帰ったよ」
「そっか…お見送り出来なかったなぁ…」
「また呼ぼうねぇ」
「ん…ゆぅ…来て…一緒に寝よ?抱き締めて?」
こんな可愛い我が儘も言えるようになってきた
喜ばないと…不穏な影が一歩また一歩と近付いてくる気配を感じながら今は深雪の可愛い我が儘を受け入れるためベッドへ入った
「ゆぅ…あったかぁい…気持ちいいよ」
「みーゆちゃん!みゆちゃんが言うと卑猥に聞こえるのは何故かしら?」
「そんなの!!ゆぅがおかしいからでしょ」
ぷぅっと頬を膨らませてるけど可愛いだけだ
「ゆぅ。しよ?」
「いいよ」
今日の深雪は何だかとても積極的だった。
「ゆぅ!もっと欲しい!」
「深雪…どした?」
「今日はどろどろに溶けてしまいたい日なの。ゆうはうまいから出来るでしょ」
「上手いかどうかはわかんないけどみゆちゃんのためなら俺頑張っちゃう」
「みゆちゃん言うなぁ」
「だぁってぇ!!みゆちゃんって言ったとき可愛く啼くんだもん」
「呼ばれなれてないから…恥ずかしいの!」
「ふふ…んじゃ一杯呼んじゃお。みゆちゃん…ん…ちょっ…締めないでよそのままいっちゃうとこだったよぉ。危ない危ない」
「ゆうが意地悪なんだもん!!」
「みゆちゃん!みーゆちゃん!!大好き!」
「ゆぅゆぅ…」
深雪がどろどろになって意識を飛ばすまで抱き続けた…
何か不安なことでもあったのかもしれない…深雪が自ら話してくれるまで待ってあげよう。
深雪を綺麗にして隣に潜り込み抱き締める
「深雪…愛してる…」
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