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深雪の場合/17
「何話してるのかな?あの2人」
「ん?わかんない」
「ほんと?」
「んー…」
「あのね。僕もう大丈夫なの。だからねゆうにお仕事頑張って欲しいんだけど…どうしても家でのお仕事から戻す気はないって…家でするお仕事で十分すぎるくらい仕事できてるからって…僕ゆうの足手まといなの…」
「ゆうは深雪のことが大好きなんだね。きっと寂しいんじゃない離れるの」
「それに僕も何かお仕事したいんだけど…それもしなくていいって…」
「あ!じゃあさ!僕んちでお仕事する?母さんが腰痛めちゃってるから誰かいないかなっていってたし!そうだ!そうしようよぉ!!」
「お花屋さんできるかな?」
「お庭のお世話出来てるし深雪はセンス良さそうだから大丈夫だよ。僕が教えてあげるから。ゆうに話してみようね」
「うん!」
そのあとジョンの話を色々聞いてた。気が付いたら眠ってたみたいでぼんやり見えたのは寝室の天井と柔らかなゆうの笑顔だった
ぼんやりする意識の中で必死でゆうの手を握る。ゆう…
「んんっ…ゆぅ…」
「ごめん。起こしちゃった?」
「ゆぅ…2人は?」
「ジョンも眠っちゃったから帰ったよ」
「そっか…お見送り出来なかったなぁ…」
「また呼ぼうねぇ」
「ん…ゆぅ…来て…一緒に寝よ?抱き締めて?」
ジョンの話を聞いてたら僕も甘えたくなっちゃってた…ゆうは僕が何を言っても許してくれるから。この甘い甘いゆうの腕の中にずっといたい…
ねぇ…ゆう。僕の中にいる三徳さんはまだ消えてない…でもゆうとずっと一緒にいたい…死ぬまでずっと隣にいたい…そう思うのは我が儘かな?自分勝手かな?
最近何だか嫌な感じがするの…ゆうが怪我しちゃって目の前から消えちゃう夢を沢山見るの…僕…怖いよ…ゆう。今のところゆうが不幸になったなんて僕も感じたことないけどこんなに暖かくて優しい時間が続かないこと僕は知ってるんだ…なのに離れられない僕は酷いやつかな?
ベッドへ入ってきたゆうをぎゅっと抱き締める
「ゆぅ…あったかぁい…気持ちいいよ」
「みーゆちゃん!みゆちゃんが言うと卑猥に聞こえるのは何故かしら?」
こうやって僕の不安を笑って誤魔化してくれる…
「そんなの!!ゆぅがおかしいからでしょ」
ぷぅっと頬を膨らませてはいるけど本当は嬉しいの。僕を元気付けようとしてくれるゆうのことが。ねぇ。ゆう。僕は何もあげられないね
「ゆぅ。しよ?」
使い古されたこの体しかあげられるものはないしゆうと繋がっているときは何も考えなくて済む…ズルイズルイ僕を大切にしてくれるゆう…
「いいよ」
こうしてゆうの心を弄んで僕の不安を埋めてもらうんだ…本当にずるい人間でごめんね
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