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深雪の場合/18

「ゆぅ…もっと欲しいよぉ…」 「深雪…どした?」 「今日はどろどろに溶けてしまいたい日なの。ゆうはうまいから出来るでしょ」 「上手いかどうかはわかんないけどみゆちゃんのためなら俺頑張っちゃう」 みゆちゃん…そんな呼ばれ方するのはゆうがエッチしてくれるとき意外ないから特別な気がして嬉しいの。他の誰にも呼ばれたことないし… 「みゆちゃん言うなぁ」 でも少し恥ずかしい…女の子みたいでしょ? 「だぁってぇ!!みゆちゃんって言ったとき可愛く啼くんだもん」 「呼ばれなれてないから…恥ずかしいの!」 「ふふ…んじゃ一杯呼んじゃお。みゆちゃん…ん…ちょっ…締めないでよそのままいっちゃうとこだったよぉ。危ない危ない」 「ゆうが意地悪なんだもん!!」 「みゆちゃん!みーゆちゃん!!大好き!」 「ゆぅゆぅ…」 本当は大好きなんだ…三徳さんのこともゆうのことも…こんなあやふやな僕の心を揺さぶるのは昔からゆうだけだったよ。 智輝と付き合ってたとき智輝は僕のお日さまみたいな人だった。真っ暗闇を歩いてた僕の道を照らしてくれた人。だから好きになった。 ゆうは僕のお薬みたいな人だった。高校時代智輝が他の恋人のところにいってるときの不安を自ら外に出て不特定多数の人と寝て紛らわしてたあの頃不安定な僕のことを今みたいに優しく…時には激しく抱いてくれてその不安を解消してくれた…お陰で外に出て色んな人と寝なくても不安になることはなくなったんだ。 もしかしたら僕にとってあの頃からゆうだけは特別な人だったのかもしれない。琉輝さんからの仕打ちにより僕も含め智輝の恋人たちみんなが傷つけられ智輝と別れた後。みっちーとゆうと智輝が三人でいるときには何も感じずただ玩具に成り果てていたのだけどそこからみっちーが離れてゆうと智輝だけになったころ胸のモヤモヤが始まった。考えてたのは智輝じゃなくてゆうのことだった。玩具なのが苦しくなったのもこの頃だった ゆうは優しいし恋人は大切にする人だったのを知ってたからゆうに抱かれたい…そんなことを思いながら琉輝さんや他の人に抱かれてた。それからみっちーと琉輝さんが出会って琉輝さんが変わっていって…そして解放されたとき僕に残ったのはゆうへの欲情…でも智輝と片時も離れなかったから抱いて欲しいとお願いする隙もなかったし学校中が2人はお似合いだって見守ってた。すごく胸が痛くて… だからそのあとまた前みたいに不特定多数の人と体を重ねる生活に戻って…そんなとき街で叔父に再会して…そして男に抱かれた僕の体を叔父は…叔父に会いたくなくて外に出るのはやめたけど学校で色んな人と寝た。生徒は勿論学校にやって来る業者の人とか教師とだって… きっとそんなことしていたことはあの頃のゆうは知らない…だってみっちーが意識不明で病院にいたから…あの頃のゆうは智輝と一緒に支え合いながらミッチーのことばかりを考えていたから… そんな姿見ていたら…何か自分のしてることがバカらしくなって…それからは誘わなくなったし誘いにも乗らなくなった。そして卒業式の日叔父に連れ戻されてあの生活になって…三徳さんが助けてくれてそして三徳さんのことを疑い責めてもうどうなってもいいってときにゆうが見つけてくれて…そして三徳さんを失い壊れかけてた僕の側に今もこうしてゆうがいてくれて… ゆう…君は本当に僕でいいのかな?何度も何度も同じ考えが巡るけど僕がもうゆうから離れられそうもなくて…だから怖いの…気持ちを伝えること…形が変われば壊れてしまう日が来るかも知れないから… あぁ…本当に…僕は…ゆう…ゆう… 未だミッチーは目覚めないみたい…側にいる智輝は今どんな気持ちでいるのだろう… 「みーゆちゃん。何考えてる?」 「んんっ…ん…気持ちい…」 「そう…もう少し頑張ってね」 ゆうが心配そうに僕の髪を撫でて優しくキスをして再度快楽をくれる。 あまりにも気持ちよくて気付けば意識を手放していた 「深雪…愛してる…」 ゆうがそう切なそうに呟いている言葉は耳に届くけれどもう答えられないの… 僕も…好きだよ…ゆう…

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