317 / 321

深雪の場合/33

「ゆう」 「なぁに?」 「良かったね。智輝もみっちーも」 「うん。二人に負けないくらい幸せになろうね」 「うん!」 そう言って手を繋いで幸せに浸ってた…それを邪魔するように声が響く… 「深雪!」 突然呼ばれた覚えのある声に体が震える。 一瞬で幸せの欠片が崩れ落ちていくような気がした…どうして…やはり幸せになってはいけないの?… もう平気だって思ってた…次会ってもきっと大丈夫だって…でも… 「深雪!」 でも…呼ばれたら逆らえない…まだ捕らえられたままなんて気がついていなかった 「…はい」 顔をあげると叔父がいた…どうして… やだ…また連れ戻されてしまうの?… 「深雪…やっと見つけた…」

ともだちにシェアしよう!