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第7話 いつもの朝
7. いつもの朝
アラームの音、自動的に動き出す身体。
シャワー浴びてキッチンに入るとリビングのソファに座っている草太に痛いほど心臓が逸る。
「 ごめん、昨夜は遅くなって 」
「 何時に帰ったの?」
「 うん、と、12時少し前かな 」
「 そうか 」
何も聞かないんだな。
すっと、気持ちが冷静になる。昨日のことは内緒なんだ。
ぼーっとしないように手を動かす。今日の雄介の予定を確認しながら朝の準備を進めると雄介を起こしに草太が自分の部屋に入っていったのが見える。
あゝ、昨日は一緒に寝たんだな。雄介は僕が遅いと草太から離れないから……眼元が熱くなった。
気づかれないように瞼を抑える。起きてきたパジャマのままの雄介に、
「 おはよう!昨日はごめんね 」
と声をかけると雄介は小走りで僕の側に来てそのまま抱きついた。しゃがんで小さな身体を抱きしめる。昨日の朝より数秒長く。
その後は毎朝と同じ。用意が終わりご飯を食べて慌ただしく出勤する草太が雄介を自転車に載せると、
「 ハセ、バイバイ〜 」
と手を振る可愛いい姿は遠ざかる。
朝の光に影は見えない。見送る僕の足元に細く淡い影が落ちていた。
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