バスタオル敷くのも、前準備するのもの、なんかノンケだった穂高とだとムード欠けちゃうかな、なんて思ってたのに。 「……穂高」 　そういうひとつひとつのことにときめくこともあるって知った。 「祐真」 「ン」 　ギシリとベッドが二人分の重さに軋んで、穂高が俺に覆い被さって、そんで、今からするって告げるようにキスをひとつくれた。唇が離れて、ドキドキしてる俺は目を伏せると、頭のてっぺんにキスされて、くすぐったい。 「……好きだ」 「あっ」 　開いた脚の間にある穂高のがお尻に触れた。熱くて、硬くて、大きいそれが、今から、俺の中に――。 「あ、あっ……ぁ」 　孔の口が開いて、そこを抉じ開けられて。 「あぁっ……あああっ」 「っ」 　その質量に、存在感に、ポロリと涙が溢れた。 「ん、あっ、穂高っ」 「きついか？」 　ごめん。びっくりさせちゃった。俺が痛くて泣いてるんだって思った穂高が急いで腰を引こうとするから、俺は慌てて、脚を絡ませて、自分から背中を反らせて穂高をもっと深くに招き入れる。 「んんんっ、あ」 「祐真っ」 　根元まで自分で招いて、フルフルと首を横に振った。 　違うんだ。ゴム越しじゃない感触に身震いするほど感じちゃったんだ。だって、こんなに熱くなってる。こんなに硬くて、ビクビクしてる。 「ん、嬉しい、んだ……穂高がここにいる、の」 　中、気持ちイイ？　穂高のがすごい反り返って、暴れたそうにしてる。それが嬉しくて、お腹の上から穂高がいるところを撫でた。ここにいるんだ。ここに穂高のが、入ってる。 「あっ……ン、穂高、気持ちイイ、よオ」 　ゴムしてない穂高のが。 「お前なぁ」 「あ、ン」 「動くぞ」 「ン、ぁ、ああああっ……っ！」 　溶けちゃいそうだ。 「あ、やっ、穂高の、大きい、よお……や、これ」 　腰を掴まれて、小刻みに中を擦りながら、前のとこ、前立腺をゴムしてない穂高の切っ先が突いてくる。ズルい。そこされたら、俺、ダメなのに。 「ひゃぁっ……ン、ぁんっ」 「祐真」 　お腹の内側がトロトロになっちゃう。 「あっひゃっン、やぁっ……ン、そこ、穂高」 　見上げると、険しい表情の穂高がいた。眉間にシワを寄せて色っぽい溜め息ついて、伏せた視線にゾクゾクする。気持ち良さそうに、夢中になって、薄く開いた唇がとても、セクシーで。 「祐真？」 「！」 「何？　今、すげぇ」 　見惚れてて、あまりにかっこいい男の顔をするから、中がきゅぅんってしゃぶりついてしまった。 「祐真？　何……どっか、苦しいか？」 「ちがっ」 「痛いなら」 　もう、どんだけなんだよ。 「い、痛くないったら」 　どんだけ、俺のこと大事なんだよ。夢中になりすぎたと慌てて止めて、中でこんなに暴れたがってるくせに、心配そうに覗き込んできて。そういうの、すごく来ちゃうだろ。 「痛くないよ」 「……祐真」 「ホント。ゴムつけてない穂高のがすごく硬くて、その、気持ちイイから」 　すごく、好きが増しちゃうだろ。 「もっとして」 「……もっと、穂高の好きにして？　俺のこと」 「……」 　唇が震えてる。怖いとかじゃなくて、興奮しすぎてて、感度の指針が振り切れそうなんだ。 「俺、穂高になら、その……めちゃくちゃにされたい」 「っ」 「俺っ、……ン、んんっ」 　被りつくようにキスをされて、唇が割り開かれた隙間から舌を差し込まれる。そして、濃厚なキスをしながら、深く奥まで来てくれた穂高に甘く啼いてしまう。 「ん、やぁっ……ンんっ、あっ」 　狂おしく腰を動かしながら、俺に覆いかぶさる穂高の首にしがみついた。密着して、心臓のとこ重なるように抱き合って、そんで、穂高の重みを受け止めた分、息苦しくて、愛しくなる。 「あ、あ、ンっ……あっ、穂高っ」 　大好きな人とするセックスは。 「あ、あっ、あっ」 　こんなにとろけてしまうんだ。溶けて流れて、ぐちゃぐちゃになって、ひとつになって。 「あ、穂高っ……も」 　見つめる瞳にさえ感じちゃうんだ。腰に痕が残るほど食い込む指の強さも快感に繋がって、吐息にも喘いで、そんで、キスで。 「ン、イくっ……穂高、俺っ」 「あぁ」 　ズブズブと突き刺さるペニスの激しさと、唾液が流れるくらいの濃厚キス。 「あ、イくっ、俺、も、手でして？　穂高の大きい手、で、されるの気持ちイイ」 「祐真っ」 「穂高も、がいい」 「っ」 　お尻のとこをきゅんと締め付けた。ここ、ここにいっぱい欲しいんだ。穂高が俺の中でイくのを感じて、俺もイきたいんだ。 「ン、一緒に、イきたい、穂高の、欲しい」 「っ、祐真」 「あ、ぁ、ぁ……ああああああ！」 　ゾクゾクゥって危ういくらいの快感が身体を走った瞬間だった。中で弾ける、熱に身震いさせながら、背中を反らせて、そんで、大きなあの手の中にビュクビュク吐き出してしまう。 「あっ……ン」 「っ、はぁっ、はっ」 「あ、すご……ン」 　まだ、中でビクビクしてる。 「穂高……ぁ」 「祐真、好きだ」 「あ、ちょ…………」 　ゆっくり揺らされる身体はまだふわふわとしてた。力なんて入らないくらい大胆にイったばかりで、中、今すごいことになってるのに、きゅんきゅんして、止まらないのに。 「や、嘘っ、穂高っ」 「祐真っ」 「あ。待っ……って、ン、あ、あ、ぁ」 　さっきよりも吐き出した穂高ので濡れた中が、掻き乱されて、驚くくらいにやらしい音がする。 「待っ、ン、今、ダメっ、だって、あっ」 　イったばっかなのに。そこ、前の、まだビクビクしてるのに、それダメだって、穂高の大きな手で扱かれたら、ダメなのに。 「好きだ。祐真」 「あ、ダメっ、あ、ぁ、あっ」 　可愛いキスにきゅんってして、大きな手に握られたペニスが気持ち良くて、硬いままの穂高が突き刺さるお尻のとこもきゅんって。 「あ、ああああああああああ」 　きゅんって――。 「もう！　穂高！　あんなのどこで覚えたんだよ！」 「？　あんなのって？」 「潮っ！……しお、ふき……とか」 　びっくりした。まさか、そんなのしちゃうなんて。 「あぁ、前にゲイバーで教えてもらったんだ。ノンケが知らない気持ちイイこと、教えてあげるって」 「んなっ！　なんだよっ、それ」 　蕩けきって力が入らなくなるほどめちゃくちゃ気持ち良くされた俺はもうベッドの中でくちゃくちゃだ。そんな俺のおでこにキスをして、穂高がくしゃりと笑う。 「百戦錬磨のゲイ相手に満足させられる方法って言われたけど？」 「なっ！」 「どうだった？　俺は」 「しっ」 　だから、蕩けちゃうんだってば。なんだよ、そんな、まるで、俺のことぞっこんにさせたくて仕方ないみたいなの。そんなの。そんなことしなくたって、俺は。 「し、知らない」 「……」 　真剣な顔してさ。なんだよ。もう。 「だって、こんなになっちゃったこと、ねぇもん」 「！」 　真っ赤になっちゃったじゃんか。けど、本当に、知らない。こんなに気持ち良くて、幸せで仕方ないセックスなんて、俺、したことないもん。だから。 「初めてなんだから、わかんないってば」 「…………ホント」 　優しい声でぼそりとため息混じりに言われたってさ。 「ホント、祐真には、敵わねぇ」 　嬉しくて幸せで、好きが増すばっかりなんて、初めてなんだから、どうしたらいいのかわからないよ。