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第5話 口だけで…

水無月は黙ったまま、彼の魅力的な笑くぼに舌を這わせ、下からなぞり上げた。そのまま首筋をゆっくりと伝い、文月の耳たぶを甘噛みした。 先程まで、戸惑いながらも遠慮がちに文月を受け入れていた水無月の舌が、自分をもっと欲しいと囁いている様で、文月はその甘美な誘惑に酔いしれた。その誘惑を払いのける事など到底出来ず、水無月を押し倒し、彼の上に馬乗りになると、シャツの中に手を差し入れ、水無月の乳首をキュッと摘んだ。 「あぁっ…」 『誘ってるのか?』 「違っ…ぅあっ…」 文月は上半身を屈ませ、再び水無月の唇を貪りながら、慌ただしく彼のシャツのボタンを外して行き、そのまま舌を首筋から胸元まで伝い下ろすと、水無月の左乳首を「ぴちゃりっ」と一舐めした。 「…っつ。文月…口だけって…」 『うん。今日は、最後まではしないよ。だから口だけでいかせてあげる。』 「えっ?まっ…んあぁっ。」 水無月は、彼の手の平で尾骶骨を強く掴まれ、全身に電流が流れる様な感覚に襲われた。文月はシャツがはだけて露わになった彼の滑らかな肌に満遍なく舌を這わせながら、彼のベルトを外し、ファスナーを下げる。舌で舐め上げる毎に、甘く切ない吐息が漏れ聞こえ、2人の下半身は次第に熱を帯びていった。 『苦しいか?今、楽にしてやるから』 文月は、そう言って彼のズボンと下着をずり下ろすと一気に剥ぎ取った。

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