浴室のドアを閉めて水無月を降ろすと、彼をそのまま壁際に抑え込み、水無月の耳朶に唇を這わせ、そのまま、瞼、頬へと触れるか触れないかの口付けを当てがった。 「んんっ…」 文月は自分がどれ程彼を欲しているか悟らせる為、向かい合ったまま全身を密着させ、反り勃った雄の象徴を彼の下腹部にゆっくりと擦り付ける。 「はぁぁ…っ。」 水無月の艶めかしい吐息が漏れ聞こえ、それは彼の理性を吹き飛ばしてしまうのに充分な程の誘惑に満ちた声だった。 文月は、擦り付けた分身を上下に動かしながら、水無月の唇に食らい付き、舌を咥内に忍ばせ貪り続けた。水無月も又、彼の淫らな動きに誘発され、彼の舌に自身の舌を差し出しながら、文月の胸の突起を指の腹で摘み、捏ねまわした。 文月が彼の舌を絡め取りながら目を開くと、其処には、頬を染め欲情している愛しい恋人の顔があった。 (水無月も自分を欲してる…もっともっと俺を欲しがれば良い…) 文月は、彼の咥内から舌を抜き、唇を離した。 「文月…早く…」 『言えよ。俺にどうして欲しい？』 そう言って、悪戯っ子の様な笑顔を彼に向けた。水無月は、悔しそうな表情を浮かべ、一言呟いた。 「舐めて…」 文月は、黙ったまま膝をつき、彼の分身を舌でなぞり上げた。 「んっぁあっ…」 今度は、彼の先端から漏れ出ている透明な露を飴を舐めるかの様に舌先で味わう。 「ふっ…んんっ…」 大きく開いた口を根元まで降ろし数回上下に扱いた後に、彼の分身を咥えたまま動きを止めた。 「文月…どうして？もっと…もっとして…」 膝をついたまま、顔を上げ舌を出して舐める仕草をした。 『もっとして欲しい？』 「…うん。」 『俺のお願い聞いてくれたらね。』 「お願いって…？」 文月は、水無月の腰を引き寄せ、足元に置いてあるローションの蓋を開けて自身の指に数滴垂らした。水無月の戸惑いを浮かべた表情を尻目に、左手で彼の腰を掴み素早く右手を後ろに回し、彼の蕾に中指の第一関節を沈めた。 『俺に此処を洗わせてくれる？』 彼の蕾から「ちゅぷっ」と音がすると、水無月が声を発した。 「ひぃあっ…」 (よし。今こそ勝負の分かれ目だ。ここは慎重に事を進めなくては…) 文月は瞳を潤ませ、水無月の顔を見つめながら懇願するかのように優しく語りかけた。 『水無月。俺の願いを叶えてくれるなら、舐めてあげる。』 そして、中指を更に奥まで沈め彼の内壁を撫でた。 「ふぅあっ…」 水無月は、下半身に異物を感じながらも、久方振りの感覚に全身が震えた。 (この感じ…長い間忘れていたな。どうしよう…文月に委ねてしまおうか…) 文月は水無月の心が揺れ動いている事に気が付き、つい口元が綻んだ。 (ふふっ。そうだ。そうこなくっちゃ。水無月の蕾は遂に俺の手に託されるんだ！) 文月は、期待に胸を膨らませていた。