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第54話 2人だけの決め事。

(自分に想いが無い事も文月を好きな事も良く分かっている。それでも、心が叫んでいる。水無月が好きだと…身体が欲している。水無月とひとつになりたいと…今夜だけで良い。夜が明けたら何も無かったかの様に、今までと変わる事なく友人として接するよ。だから、今だけは俺の傍に居て、俺だけを見つめて…) 目尻に涙を溜め、呼吸が乱れた様が周の瞳に映り込み、熱を放出したばかりの芯が再び頭を擡げ始める。水無月をベッドに仰向けに寝かせ、脚の間に身体を滑り込ませると、彼の膝裏を掴み大きく開かせた。内腿に舌を這わせ、中心に向かって舐めしだいていく。 「んっふぅっ…」 ローションを指に絡ませ、陰茎を扱きながらぐちゅぐちゅと密孔を攻めた。 「はぁはぁ…ふぅっ…周…」 既に充分に解され秘部内は、指を動かす度に蠢き、隠微な音と水無月の淫らな声が周の雄を昂らせる。堪らず、コンドームに手を伸ばし封を切った。 『はぁはぁっ…』 息が上がる…先端から根元まで被せ、ローションを纏う。水無月の秘部にピタリと押し当てると、「ふぅっっ…… 」深呼吸し、まるで許しを請うかの様に彼を見つめたまま、動きを止めた。 沈黙の中、サーサーと雨音だけが聞こえて来る。 どくっどくん…周に見つめられ、己の心が波立つのを感じた。視線を彷徨わせると、周は水無月の動揺を敏感に感じ取り、彼の頬を優しく撫でた。 『はぁっ…水無月…大丈夫か?』 何も言わずに強引にでも俺を抱けば良いのに。 『辛いなら…止めるか?』 俺が此処で止めると口にしたら、彼は踏み止まるだろう。秘部に触れている彼の先端は酷く熱い…それでも尚、俺の意思を尊重しようと耐えてくれている。優し過ぎる大切な俺の友人。そして、かつて俺が… 「周…」 『ふぅ…無理しなくて良いんだぞ。』 周の手を唇に引き寄せ指先にキスを落とす。肌を重ねていた頃、水無月が彼にした仕草。其れは…2人だけの決め事。周を受け入れる時の合図。彼の指先が微かに震えた。 水無月は両脚を開き、静かに目を閉じた…

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