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第55話 届く事の無い想い。
『はぁっ…はぁ…』
周の荒い息遣いが聞こえ、彼の切迫した情欲が伝わって来る。両手で腰を掴まれ、硬く熱い芯の先端部分が水無月の秘部に挿入された。ぬぷぷっ…与えられた圧迫に抗う様に、水無月の内壁が自然と締まる。
『ふぅぅっ……みー…もう少し力を抜いて。』
「んっ…はぁ……」
水無月が深く呼吸し、強張りを解くと、ぬぷっ…じゅぷっっ…… 音を立てながら、周の熱り勃った雄がゆっくり奥へと進み、根元まで突き入れられた。
「ぁあくぅ…ぅっ……」
久しぶりの感覚に内壁がひくひくと蠢く。周は自身の熱を帯びた芯が、水無月の秘部に馴染むのを待った。
「ふぅっ…ふぅ…」
『はぁ…みー、大丈夫か?』
「うん…大丈夫だから…動いて。」
水無月の苦し気な表情を見て、周は、己の分身を一旦抜き出そうとしたが、水無月が腰に両足を絡め、ピタリと密着させて来た。周の反り勃った雄を、奥へと引き入れ様とする水無月の仕草に、周の心は歓喜で震えた。
『はぁ…はぁ…みーの中、凄く熱いよ。』
「俺じゃない…熱いのは周…あんっっ!」
律動が緩やかに開始され、先程までの圧迫感は徐々に薄れていく。くちゅっぬぷっ…じゅぷじゅぷ…カリ首が水無月の前立腺を擦り快感を押し上げると、周の性欲を煽情するのに充分過ぎる程の嬌声が絶え間無く漏れる。
「あっ…周…気持ちい…んんっ…!!」
『くぅ…は…ヤバい…良過ぎる…』
ギシギシとベッドが軋む音とぐちゃぐちゃと後孔内を摩擦する音が周の熱を煽る。律動を早め、水無月の秘部を幾度も突いた。
『くっっぅ…ごめっ…加減が出来ない…』
「はっはっぁあ…ん」
激しい挿入に腰を揺さぶられ、水無月の背中が反る。
『あっあっ…周…俺もう…』
「あっ…ひぃん…イっちゃ…ぁぁあっ!!」
『ふっ…はぁっ…くぅっあっ!!』
陰茎が再奥へと一気に攻め込んだ瞬間、びゅくっ…びゅくん…水無月の腹上が自身で放った白濁で濡れ、内壁がきゅぅっっと締まった。強い刺激を与えられた周も頂点に達し、どぴゅっ…どくっっ…勢い良く熱い雄液を吐き出した。
『はっ…はっ…はぁっ……』
息を切らしながら、蜜壺から自身をずるりと引き抜いて、彼を抱き締めた。水無月が周の背に腕を伸ばすと、互いの顔が近付き、何方からとも無く咥内を貪る。ぴちゃっ…くちゅっ…くちっ…唇を離すと混ざり合った唾液が口周りを濡らしていた。
「周、俺は…」
『何も言わなくて良い。』
「だけど…」
『身体…後で拭いておいてやるから、このまま何も考えずに寝ろ。』
「周…」
『ゆっくり寝て、朝目覚めたら、今夜の事は全て忘れるんだ。良いな?』
「……」
周は手の平で水無月の瞼を覆い、額に口付けをし、そっと抱き締めた。水無月は周の胸元に頬を寄せ、彼の鼓動を感じながら、いつしか眠りに就いた。水無月が寝付いたのを確認すると、浴室でシャワーを浴び、濡らしたタオルで水無月の全身を綺麗に拭う。再びベッドに戻ると、水無月を搔き抱き、彼の柔らかな髪を撫でた。スースーと寝息を立て眠る水無月を眺め、愛しさと苦しみが込み上げる。
『水無月…好きだ…俺はお前を…』
消え入りそうな声で、決して届く事の無い彼への想いを口にした。周の想いを搔き消すかの様に、雨音だけが静かに部屋の中に響いていた…
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