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第80話 瞼を閉じると…

腰を引き上げ、蕾が良く見えるように脚を開かされ、水無月の頬が羞恥で染まる。背後から文月の熱い視線を感じ、耐え切れずに脚を閉じようとしたが、伸ばされた手によって、其れは呆気なく阻まれた。 「あっ…嫌だ…」 『駄目だ。逃がさない…』 陰茎を撫でるように柔く扱かれ、先端から先走りの露が滲む。快楽に流されまいとシーツをギュッと握り締めた。 「ふぅ…くぅん……」 『はぁはぁ…水無月…我慢なんてするな。』 「んんっ……」 鈴口を指腹でちゅぷちゅぷと刺激され、溢れ出た蜜の滑りで陰茎を扱く手の動きが加速された。 「んっん…ぁあっ!」 『ふっ…なぁ…気持ち良いって言えよ。』 「あっ…文月…んっんん…」 『はぁ…はぁ…言えって!』 熱塊が、ずりゅずりゅっ…卑猥な音と共に挿入し、再び律動が開始された。 「ひぃぁあっ!!」 水無月の下腹部は快楽に身悶えし自然と迫り上がる。 『はっ…はっ…はぁ…』 「文月…あっ…ぁあっ…止めて…」 文月は自身の想いの丈を言葉にする事が出来ず、只管(ひたすら)に彼を求め続けた。 (水無月…俺だけを見てくれ。お前を誰にも渡したく無い。) 腰を打ち付けられる度に、ベッドから漂う女性の仄かな香りが水無月の鼻を掠める。肉欲に溺れた身体は、彼に反応し熱を増していくのに、瞼を閉じると優しい瞳で自分を見つめる周の笑顔が浮かび、水無月は自身の心の揺れに激しく動揺した。 (好きな男に抱かれているのに…俺が好きな人は文月の筈なのに…) 律動は激しさを増し、パンパンッと肌が打つかり合う度に、水無月の全身は揺さぶられ、濡れそぼった肉茎が跳ねる。 『はぁ…水無月…凄い…もうイキそう。』 「あっんん…熱い…嫌ぁあ…」 『ふっ…くぅ…あぁ』 ぐちゅ…ぐぼぐぼっ…秘部が交わる音と艶めかしい嬌声が室内に響き、最奥に打ち付けられた快楽が限界に達し、水無月はシーツの上に、びゅくびゅくっ…と白濁を撒き散らした。 「あっ…ぁああっ!!」 『うっ…くぅぅっ!!』 彼の中に在た文月の肉茎も、内壁の締め付けに煽られ、絶頂を迎えた。

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