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証明 1(side:佐藤くん)
大変なことになってしまった……。
斉藤先生の手を引っ張って先生の寝室に向かう僕の心臓は、緊張やらなにやらで、めっちゃバクバクしていた。
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夕べ酔っ払った斉藤先生にキスされ、胸を触られたあげくに勃ってしまった僕は、一晩中ほとんど寝ずに悩んで、自分は斉藤先生のことが恋愛の意味で好きなんだという結論を出した。
だから斉藤先生がもし夕べのことを覚えていて、それで僕のことを「愛しい」って言ったのが本心だったら、僕も斉藤先生への気持ちを打ち明けようと、そう決意した。
もし気持ちを打ち明けるところまで順調にたどり着けたら、当然斉藤先生も喜んでくれて、それじゃあ付き合おうってことになるのかと思っていたのに、実際には、斉藤先生は何だか逃げ腰で、僕が斉藤先生のことを好きだということすら信じてくれなかった。
そんな先生の態度に焦ってしまった僕は、斉藤先生を好きだと証明するために先生に掘られると宣言してしまったのだ。
我ながら無茶苦茶言ってるとは思ったけど、僕だって先生に僕の気持ちを信じて欲しくて必死なのだ。
斉藤先生をベッドに押し倒した僕は、夕べ先生が僕にしたみたいに先生の上に馬乗りになった。
斉藤先生は僕の勢いに圧倒されているみたいで、すんなり押し倒されてくれたので、これ幸いとばかりに先生の唇を奪う。
今までキスなんかしたことがなかったから、夕べ斉藤先生にされたキスと合わせてもこれがまだ2回目だ。
最初のキスはただただびっくりしてしまって、何が何だかわからなかったけれど、今はあの時よりはちょっとは味わう余裕がある。
キスの上手なやり方なんてわからないから、ただ先生の口の中に自分の舌を入れてベロベロ動かしているだけだけど、すごい興奮するし何だか体が熱くなってくる。
キスを続けていると、そのうちに息が苦しくなってきてしまって、仕方なく僕は斉藤先生から唇を離した。
見下ろした斉藤先生は、僕を呆然と見上げている。
なんとなく気分がよくなった僕は、このまま先を続けることにする。
えっと、昨日はキスされた後、胸を触られて……。
夕べ斉藤先生にされたことを思い出しながら先生のTシャツのすそをめくりかけたが、そこでふと疑問がわいてきた。
あれ? もしかして抱かれる方が抱く方の胸を触るのっておかしい?
セックスにあまり興味がなくて、男同士どころか男女のやり方すらよくわかってない僕だけど、さすがに男が女の子の胸を触る、ということはわかる。
夕べ斉藤先生はごく当たり前のように僕の胸を触ってきて、だから僕は斉藤先生は僕を女役っていうか抱かれる方にしたいんだろうなと思ったんだけど、その場合、抱かれる僕が抱く方の斉藤先生の胸を触っていいものなんだろうか?
「佐藤くん……?」
僕が困っていると、僕の動きが止まったことを不思議に思ったらしく、斉藤先生が僕の名前を呼んだ。
呼ばれた僕は、思わずその疑問をそのまま口にしてしまう。
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