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証明 5☆(side:佐藤くん)
「……ごめん、俺がはっきりしない態度だったから、佐藤くんを不安にさせてたんだな。
大丈夫。
佐藤くんはちゃんと俺のことが好きだって証明してくれたし、俺が佐藤くんのことが好きだってことは今からちゃんと証明するから」
そう言うと斉藤先生は「ちょっと待ってて」とベッドから降りて、クローゼットからタオルとローションとコンドームを出してきた。
掘られる掘られると言いながら、そういう用意を全然してなかったことに、今さらながら気付いて恥ずかしくなったけど、斉藤先生がやっと本気で僕を抱いてくれるつもりになったことがわかってうれしい。
斉藤先生は持ってきたものをサイドテーブルに置いてTシャツを脱ぎ出したので、慌てて僕も自分のTシャツを脱いだ。
斉藤先生は僕を安心させるためなのか、僕に腕枕をしながら手探りで僕の後ろの穴に指を入れた。
「っ!」
「ごめんね、ちょっと痛いかもしれないけど、だんだん慣れてくるから」
「はい、斉藤先生」
「あー、その『斉藤先生』っていうの嫌いじゃないけど、こういう時はちょっと違うかな。
『吉高』って呼んでくれる?」
「あ、はい……吉高さん…」
なんとなく斉藤先生はペンネームの簡単な字の方で言っているような気がして、そっちを頭に浮かべながら呼んでみたけど、妙に照れ臭い。
けれども斉藤先生は僕が名前を呼ぶと、すごくうれしそうな顔になった。
「佐藤くんのことは、『みのる』って呼んだ方がいいかな。
それとも『林檎』でも大丈夫?」
「えーと、それじゃあ『林 』でもいいですか?
家族とかはそう呼ぶんで」
斉藤先生は本名の方を呼びたいような口ぶりだったけど、僕としては本名はあまり好きじゃないので妥協案を出すと、斉藤先生はうなずいた。
「林 、か。いいね」
斉藤先生にそう呼ばれると、なんだかドキドキしてしまう。
家族には呼ばれ慣れている呼び方だけど、斉藤先生の口から出ると変に破壊力がある。
そんなふうに話しながらも、斉藤先生はずっと僕の中を触っていたのだが、最初は確かにちょっと痛かったのに今はだいぶ慣れてきたみたいで、快感らしきものも感じられるようになってきた。
「よかった、林 はこっちも大丈夫そうだね。
指、増やすよ」
「はい……んっ…」
指を増やされると中がいっぱいになって苦しいけど、はっきりと快感を感じられるようになってきた。
息を荒くしている僕のほほに、斉藤先生がキスをする。
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