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第6話

「改めまして、学校法人金剛代表、並びに金剛学園理事長の金剛奈津緒(こんごうなつお)です。よろしく」 席に座りなおした俺たちは咳払いをみんな一度づつして仕切り直しをはかっていた。 「さっき28歳っていったけど割とマジで28歳です。うちの父親がさっさと俺に全権を譲ってくれやがってね、俺が親父の仕事を全部継がなくちゃいけなくなったんだわ3年前から」 「3年前」 理事長が1番右端にある肖像画を親指で指差す。 そこには不敵な笑みを浮かべたスーパーダンディなイケメンが額縁に縁取られていた。 「そう3年前。若いけどまあ仕事はできないわけじゃないからなんかあったら俺の、LIMEまで、連絡して」 「えっ理事長がLIMEを生徒に!?」 「大臣だまれ」 真っ赤な顔した理事長殿から見せられたのはLIMEのQRコードだった。 「えっ、これを読み込めばいいんですか」 「そう、そんで、あの、俺のことは、なつおでいい」 「はい? すみませんよく聞こえませんでし 「きっ、聞こえなかったならいい!!」 「あっはい」 LIMEのQRコードを読み込む。 「あの理事長が……これは大変だ……」 読み込んで友達追加した途端に猛々しいトラのスタンプが一個ポンと。 理事長と目を合わせると、生娘のような反応をされた。なんか色々ギャップが激しい。 「大臣」 「はい」 「それとこいつは大臣水華(おとどみか)。今回呼んだのは他でもねえんだが」 「金剛学園2年の大臣水華です。みかと呼んでくださって構わないです」 みかさんはきゅるんとか言うよく漫画とかで聞くような笑顔を俺に向けた。 本当に女の子にしか見えない。 それもめちゃ可愛い女の子。 男子校にもこんなこいるんだなあ、と他人事のように感じてしまうくらいには、現実離れしている可愛さだ。 「みかさん。えっ先輩なんですか!!!」 「一応先輩ではありますね。身長は小さいので見えなくてもおかしくはないです」 「ごめんなさい俺みかさんはじめ女かと思ってて」 「ヨーロッパ人の幼少期の天使さが、奇跡的に17になる年でも続いてるって感じだよなお前は」 「僕4分の3ゲルマン系の血が入っているので」 「一応俺の甥でもある」 「身内!?」 「俺の親父がとんだ種馬でなあ。世界各地に子供がいるそうで。偶然うちで合流できたのが俺と俺の姉の弟3人だけ。その姉の子供がこのみかさんってワケ」 「お、おう…」 「あと兄弟100人くらいいるんじゃねえかって俺は踏んでる」 「っていう話は100億回擦ってきたので、今回僕がきた理由を」 みかさんはドヤ顔をし出した理事長の顔を平手でつかんでいさめた。 「僕は生徒会の副会長をやっていまして。高柳くんに学校案内をしにきたわけです」 「あっ生徒会もやってるんですね、なんというか、ぽくないというか。というか学校案内とか付き合ってもらって大丈夫なんですか?」 「うちの学校では編入してくる人間なんてほぼほぼいないので、ある意味一大事です。なので僕が出動する理由としても事足りてます」 あっ、すみませんごめんなさい。

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