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第20話
「まず、本日行われる晩餐会ですが」
「晩餐会!!!??? いや、無理無理無理無理無理無理」
「過去の資料を調べたところ、服従のキスが行われたその瞬間に宝石の称号は新しい宝石へと移るようですが、準備期間ということで、1週間後から任務を務めると記載されていました。なので対外的にこの1週間いっぱいは慶光院会長が宝石です」
「ヨカッタアアアアアアア!!!!!!」
「ただし、1週間後からは新宝石が全て確実に全うしないといけないので、その準備等でとてつもなく忙しくなります」
「ダメダアアアアアアアア!!!!!!!」
「1週間もあればやることや作法はすぐ覚えられるさ」
「いや、俺、かいち……吏音さんのような生まれ持った気品とかないですし、他のみんなに比べて遥かに覚えることが多いです、無理です、無能です。他の人の方が絶対いいです」
「大丈夫だ。俺が、俺様が全部マンツーマンで教えてやる」
「うわ出た、オレサマ理事長サマ」
「やあ、下品な虎が出たようだね理事長。見ろ、潮が怖がってるだろう。野蛮だ。やはり過去歴代2位の在籍期間を誇る僕が手取り足取り教えることがベストだね」
「あ、ご、ごめん……いつもの癖が……。そんな威圧的にするつもりはなかったんだ。ほんとに」
「あ……全然大丈夫です、世の中そんなもんですよ、ハハ」
会長なんてガン無視で、おずおずと俺の様子を見てくる奈津緒さん。その様はさっきまでの虎のような理事長様とは打って変わって、子猫のようだが、正直なところ、俺は全く怖がってなどいない(正直それどころではない)。
会長はなんだかプンプンしているが、なんかもう、勝手にしてくれって感じ……なにも頭に入ってこない。
「本当に骨抜きになってるねえ、理事長」
「……極端すぎですよ、もっと中間ポイントとかを作ることをお勧めします」
「お前らに見せるような顔じゃねえから安心してくれ」
「エエン、俺のお気に入りの理事ンポはどこに〜」
「ブッ」
え? みかさんの後ろにいる人、なんか言った? 俺、吹き出しちゃったんだけど。
「ダメだよ〜、何処の馬の骨ともわからないやつに自分のお尻捧げて、俺に棒をくれなくなっちゃったら」
「なんの話してるんですか!!?? って、理事長ももじもじしないでください!!!」
「園部、下品だよ」
「ええでも〜会長ぉ〜」
この園部って人、明らかに下半身がゆるそうな人だ。ただ何というかみかさんより頭ひとつ分背が高いし、骨格もしっかりしてて、顔はアイドルみたいにあま〜い雰囲気で、でもしっかり男って感じなんだけど、
「棒が欲しい人……」
「高柳くん、そこはスルーで。君は何も聞いていません。それとついでですが、この人も一応生徒会の人間です」
「生徒会会計2年の棒が欲しい人、園部真(そのべまこと)で〜す! 俺の穴は24時間貸し出し中だよ⭐︎」
「は? 穴?」
ザ・軟派、って感じの園部さんは両手で丸を作ってキラッと輝くような笑顔を俺に向けた。
あの丸ってなんだ?
「佐藤!!」
「はい。園部、死ね」
みかさんから想像できないくらい凛々しい号令が発された。
その瞬間みかさんの後ろの園部さん、そのまた後ろから、これまたガタイのいい男の人が尋常じゃないスピードで飛び出してきて、みかさんの目の前に立ちはだかった。
その瞬間園部さんの顔から冷や汗が吹き出す。
「いや、たーちゃん、やめてよ、やだよ、その……貞操帯は」
「えっ、貞操帯って生徒会の方、標準装備してるんですか……?」
「どうでしょうね」
散りかけの花のような儚い笑顔を僕に向けるみかさん。不覚にもキュンとしてしまいそうだ。
っていうか、散りかけの花って例え、天才的じゃない??
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