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第九章 I still don't know the color of the rainbow.

『仲良くしよう、涙』  彼は、優しかった。いじめられていた俺に、手を、差し伸ばしてくれた。ただ、その目は、何を考えているのか、わからなかった。 『嫌なことがあったら俺に言ってよ。絶対に、助けてあげる』  でも、俺は、彼に依存した。他に、俺の話を聞いてくれる人が、いなかったから。彼は、俺を、心の中で、どう思っているかは知らなかった、けれど。彼が、俺に、優しくしてくれた、それは事実だったから、俺は彼が、好きだった。 ――彼の名前は、春原裕志。学年一の人気者。俺には、ふさわしくない、人だった。

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