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「あ、あっ……! あ、ぅ、ぁあッ……!」
ずぶずぶと指を抜き差しして、徐々にスピードをあげていく。前立腺をこするようにして、激しく。
涙はシーツをぎっちりと掴んで、俺の上で獣のような格好をして儚い声をあげた。自らも腰を振って、弓反りになりながら、髪を揺らす。そった首に浮かんだ喉仏の影を、汗が伝う。鎖骨を、胸を汗は濡らして、ぬらぬらと涙の体を照らす。カーテンの隙間から差し込む夕日の紅い光が、涙のいやらしい体を照らして、俺の興奮を煽る。
「もっと、……もっと、ゆき……! そこ、……きもち、い……あぁ……」
「ここ、すき?」
「すき、……あっ……は、ぁっ……ん、……もっと、さわって、ぇ……」
下から見上げる、涙の痴態は。それはもう、絶景だった。こんなに、エロい光景がこの世にあったのかと、本気で思った。「俺に引かれる」と自制をかけていた涙が全てを見せてくれると、こんなにもいやらしい。こんなにも、愛おしい。世界一可愛くて、愛おしくて、こんな彼と愛し合っていることを幸福に思った。
「涙、……もっと、見せて……もっと、声だして……!」
「あ、あぁあっ――」
涙が、イった。ガクガクと震えて、吐精する。俺の腹に涙の精液が飛び散って、妙に興奮した。熱い吐息を吐き出して、汗に濡れた髪を垂らして、俺の上で四つん這いになって絶頂の余韻に浸る涙は、あまりにも妖艶だった。
もう、限界だった。俺は体を起こして、涙を引き倒し、そして涙に覆いかぶさる。涙は俺を見上げて、うっとりとした顔をして、ゆっくりと俺の頬に手を伸ばす。
「ゆき……」
「ごめん、涙……がまんできない」
「いいよ……して、結生、……めちゃくちゃに、して……」
涙がはあ、と唇から息をこぼす。そして、濡れた瞳で俺を見上げながら……自らの脚を、抱え上げた。ぐ、と脚を開いて見せて、ずぶずぶに濡れた秘部を、俺に見せてくる。
「……ここ、結生のものにして。結生でいっぱいにして。結生、……結生に、いっぱいここ、突いて欲しい、奥の方、いっぱい」
「……っ、」
顔を真っ赤にして、指先で、穴をひろげる。強烈なほどに卑猥で、いやらしくて、目が眩む。真面目で、自分に自信がなくて、生徒会長で、そんな涙が俺を相手にするとこんなにいやらしくなるなんて。心の中で、こんなに俺に抱かれたがっていたなんて。
息があがる。汗が頬を伝う。馬鹿みたいに興奮して、俺は強く涙のふとももを掴んだ。涙もかなり興奮しているのか、出したばかりのモノがまたがちがちに堅くなっている。先端からとろりといやらしい蜜がこぼれ落ちていて、辛そうだ。
「……涙、……やらしい、……すごく、可愛い」
「……、こんなふうになるの、結生の前、だけだよ」
「うん、だから、すごく可愛い」
俺のものを、涙の秘部に押し当てる。そうすると、いりぐちがきゅんっと締まって、そしてひくひくと俺のものをなかにいざなうように、吸い付いてきた。まるで、体が俺に「好き」と言っているみたいに。
涙ははくはくと息をして、じっと俺のものを見つめている。顔を赤くして、目をとろんと蕩けさせて。
「涙……挿れるよ」
「うん、……」
がしりと涙の細い腰を掴んで、腰を押し進めてゆく。「ふ、あ、ぁ、」と儚い声をあげながら、涙はぽろぽろとなみだを流して体を震わせた。じっと俺のものが自分のなかにはいってくるところを見つめて、はあはあと興奮しているように息をあがらせている。
最後まではいると、涙の身体はぶるぶると小さく震え、イってしまった。ぴゅっ、ぴゅっ、と涙のものの先端から精液が飛んでいて、それと同じタイミングで涙のなかがぎゅうぎゅうと俺のものを締め付ける。すごく、エロかった。「は、ぁ、」と甲高い声をあげながらイク涙は、本当に可愛かった。
「ひとつになれたの、嬉しくて、イっちゃった、……結生、……」
「……ほんと、涙、おまえ……可愛い。もっとそういうこと、言って」
「……はずかしい、」
「言って、おねがい」
「ん、……」
俺が好きだから、俺にいやらしいことをされるのが、好き。そんな涙がたまらなく愛おしい。もっと涙の素直な気持ちが聞きたくて、俺はぐっと腰を押し込みながら涙に覆いかぶさる。吐息がかかるほどに顔を近づけて、じっと目を合わせて涙の言葉を待った。
「奥、好き、なの」
「奥? こう?」
「あっ、……、んっ、ぅう、……! も、っと……あぁ、っ……」
「うん。気持ちいい?」
「は、ぁっ……、きもちい、……はあ、……奥、ぐりぐり、されると、……結生のこと、感じられるから、……んぁ、……かんじ、ちゃう、……」
「もっと感じて」
「あぁあっ……いく、……結生、……もっと、……もっと……」
涙の、感じるところは結構わかりやすい。でも、こうして言ってくれるともっとそこを責めてあげようって思う。涙は、奥が好きみたいだ。言葉にされるとすごくいやらしくて、どきっとしてしまうけれど、単純に嬉しい。ほんとうに、奥ってつながっている感じが強いから、俺も好きなんだ。
ぎゅっと抱きしめて、ひたすらに奥をぐりぐりとしてやる。涙は俺にきつく抱きついてきて、びくんびくんとゆっくりと何度もイっていた。可愛くて、可愛くて、もっともっとイカせてあげたいって思ってしまう。
「涙、……涙……!」
「はぁっ、……あ、ぁ……ゆき、……あぁあっ……ゆき……」
激しく、激しく、何度も何度も涙を突き上げた。お互いの体液で、もう涙はどろどろになっている。細くて儚い、涙の身体が壊れてしまいそうだと思ったけれど、自制がきかなかった。次第に暗くなり始める部屋のなか、淡くぼんやりと浮き上がる涙の姿があんまりにも淫靡で、涙をイカせればイかせるほどに、俺は興奮していった。
「ゆき、……もっと、もっと……おく、……おくの、ほう……」
時間の感覚も、わからなくなっていく。俺も、結構イっていたと思う。それでもお互いに何度も求め合って、自分の体を手放したかのようにわけがわからなくなって……残っていたのは、涙への愛しさだけで、それだけで俺の身体は動いていた。
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