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第十四章 Crepuscular rays
結生と繋がった、次の日の朝。きらきらとした朝日が部屋に差し込んで来て、俺達は目を覚ます。温かい布団が、心地良い。俺が顔をあげると、まだ眠そうな顔をした結生と目があった。
「……おはよ、涙」
「おはよう……」
結生が俺の額にキスを落として、くすくすと笑う。甘ったるい空気に、酔ってしまいそうだ。優しい結生の声が俺の耳から全身に入り込んできて、何もかもを麻痺させる。
「今日、学校いけそう?」
「……うん。大丈夫、いく」
「そっか。じゃ、支度しないとな」
まだこのふわふわとした雰囲気に包まれていたかったけれど、もうそんな時間はなかった。正直なところまだ学校にいくのは億劫で怖かったけれど、逃げてはいけない。
布団から出れば、ほんのり冷たい空気が肌を刺す。「さあ行け」と背中を押されているような気がした。
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