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やがて鬼となる母と魄と名付けられた息子との徒然なる日々――【秋の月】

「……ち、父上……この方は――泣いておられます。切なげに――泣いておられます。ですから、このような……事は――お辞めになっ……」 「……ふん、出来損ないのうえに――翻儒、貴様はなんと言う腑抜けなのだ……単なる暇潰しの玩具である劣等種の此奴が泣いた如きが……一体、何だというのだ?興が削がれかけ、黄蝶と胡蝶らに任せようとも思うたが――気が変わった。さあ、賢き息子らよ……共にこの獲物という玩具を可愛いがってやろうではないか……翻儒、腑抜けの貴様は其処に突っ立って見ておれ……この、愚か者めが……」 ぎらり、と欲望に満ちた魔獣達の六つの瞳が為す術なく冷たい畳の上に押し付けられた私の涙ぐむ瞳へと否が応にも飛び込んでくる。 しかし、それは――唐突に目元へと襲いかかると視界という機能を私から完全に奪い去ってきたのだ。 「この行為を屈辱的に思うというのなら――誰の手で弄ばれているか当ててみよ……さすれば、解放してやる――さあ、少し遅い時刻となってしもうたが……淫靡なる夕げの始まりじゃ……まずは、そうさな……物を食す前には喉を潤さねばな。特別に取り寄せた美酒に――酔いしれるがよい」 汚ならしい欲望にまみれた魔獣の内の一人の手によって細長い黒帯で目隠しされてしまった。そして、それから暫くすると――側から何か液体を注ぐような音が聞こえ――、 ――びちゃっ……びしゃ……びちゃ…… 「ああっ……あっ……つ、つめたっ……やっ……お、お辞め……くださいませっ……ああっ……んんっ……」 ――葡萄の香りがする。 ――そして、噎せかえってしまいそうな程の酒の匂いが鼻腔を刺激してきた。 しかし、単なる葡萄酒ではないと私はすぐに悟った。なぜなら、普通の葡萄酒にはない筈の粘り気がそれにはあるからだった。そんな得たいの知れない葡萄酒が――私の顔全体に容赦なく注がれ、その冷たさから思わず開けてしまった口の中へも――びしゃ、びしゃと注がれていく。 「ああっ……はっ……そ、そんな……そんな所にまで……あんっ……あっ……!!」 「おお、こんなにも……乳首とは膨れあがるものなのですね……こんなにぬめぬめとなって、なんと厭らしい……んっ……それこそ、どんな葡萄よりも――美味でございますよ」 ――最初は粘り気のある葡萄酒を顔にかけて居ただけだったが、唐突に魔獣の内の誰かが私の着ている衣を乱暴に引き裂くと、自然と無防備となった胸元が露になる。ただでさえ、急に空気に触れてしまった事で勃ちあがりかけていた乳首が粘り気のある特注葡萄酒をかける事によって、びんびんに勃起してしまい――指で弾かれたり、ちゅうちゅうと音をたてながら舌で舐められたり、吸い付かれたりと三人の魔獣から好き勝手にされてしまうのだった。

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