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第22話

 戴智は自分でも不思議に思っていた。由緒正しい家柄で、昔から勉強もスポーツもできて、ルックスもいい。誰かを妬むことはなく、望んだものは何でも手に入る。  恋愛らしい恋愛はしたことがなく、セックスも遊びだ。だから、ヤキモチを妬いたこともない。  それなのに、東に対して独占欲や、周囲に対して嫉妬するとは。独占欲や嫉妬心は、戴智に芽生え始めた加虐性に火をつける。 「よーし、いい子だ」  戴智は奥深くに指を沈めた。 「あぁっ」  東がシーツを強く握る。何度も感じている指なのに、今日は一際違う気がした。 「今後、誰からも“可愛い”なんて言わせないように、俺が躾けてやるからな」  戴智がベッドの端に腰かけた。まだ横になったままの東に、“来い”と命令した。  東が戴智膝にまたがり、首筋にしがみつく。屹立している戴智のペニスにアヌスを当て、ゆっくり体を沈めた。 「んっ…、は…」  さっそく動こうと、腰を浮かせた東の尻を戴智が叩く。 「まだだ。おあずけだ」  戴智も本当は動きたい。だが、目を潤ませて乱れ狂いたいと待ちわびる東を見ていると、もっともっといじめたくなる。 「こんなになって…可愛い奴だな」  人差し指で、東の濡れた亀頭を撫でる。 「あっ…、戴智さ…ん、我慢…できません」  東がアヌスをギュッと締める。突然の刺激に、戴智も小さく声をもらす。 「行儀が悪いな。おあずけもできないのか?」  パンッと音が響いた。戴智がまた、東の尻を叩いた。顔を戴智の方に向けた東は、とろけそうな表情でキスをねだる。 「いい顔だな…。そんな顔も、ほかの誰にも見せるな」 「は…はい…、あふっ」  尻を強くつかんだまま、戴智はキスをした。貪欲な舌が絡みついてくる。それがますます可愛くて、戴智は東のサオを擦る。 「あっ…ああっ…戴智さん…!」  東の腰が動く。戴智が尻を叩いた。 「聞き分けのない奴だな。それとも…お仕置きが欲しくて、わざとか?」 「お願い…戴智さん…、お…お仕置きが…欲しい…!」  発情期状態ではないのに、結合部から愛液が滴る。戴智が中でペニスを動かすと、東が淫らな声を上げる。また腰が動いた。東の尻に愛の鞭を与える。 「あ…もっと…戴智さん!」  もう、東はおあずけができなくて、腰を激しく上下させた。ベッドがきしむ。戴智が“悪い子だ”と、東の尻を叩く。 「俺に溺れるんだ…。いっしょになったら、俺無しでは生きていけないようにしてやる」  その言葉が余計に、東の中から蜜をあふれさせる。 「すでに…僕は…ぁ…、戴智さん無し…では…」 「ん? 何だ、聞こえないぞ」  言わなくても、その先はわかる。東はもう、戴智がいなくては生きていけない。それは戴智も同じだ。  戴智も腰を動かした。東の上下に合わせ、下からは前後に揺さぶる。激しい腰の動きで、東は果てた。戴智の胸元に精液が飛ぶ。 「愛してる…東」  戴智も後を追うように果てた。まだ熱が冷めず、二人は引き寄せられるようにキスをした。結合部の隙間から、愛液の混じった白い液体が流れ出した。  セックスの余韻のキスなのに、その絡み合う舌はなかなか離れず、まるでこれから久しぶりに抱き合うかのようだ。  ようやく顔を離した東だが、うつむき加減に上目遣いで、頬を赤らめて色っぽい表情を見せる。 「戴智さん…お願い、もう一回…」  東が腰を擦りつける。萎え始めた戴智を、再び屹立させるために。  戴智は東の腰を抱えて、ペニスを引き抜いた。 「ま、待て、東。続けざまは無理だ。それに、もう眠いし」  ワインをかなり飲んでいる。実のところ、今日は勃起状態が続くかどうか自身がなかったほどだ。風呂がまだだったが、今日はこのまま寝て、明日の朝にシャワーをしたいぐらいだ。  東がベッドに戴智を押し倒した。 「僕は聞き分けがありませんから、今夜は戴智さんにたっぷりお仕置きをしてもらいます」  とろけそうな表情で、戴智にキスを繰り返す。 「おい」  舌を絡ませ、チュッと音を立てて離れる。 「お仕置きはまた今度…んぅっ」  また、唇がふさがれる。戴智はもう降参だと、東の肩を押し上げた。 「まったく…、お前と住むようになったら、毎日こうなのか?」  戴智を見下ろし、東が微笑む。 「ええ。もちろん、戴智さんの体調は考慮します。ですが、夕食に牡蠣やレバニラ炒めなどのスタミナ料理が出た日は、覚悟してくださいね」  オメガのネコ側とは到底思えない発言だが。戴智は東を抱きしめ、あやすように背中を撫でる。 「わかった、覚悟する。だが明日は、実家から呼ばれているからな。悪いが、明日の朝は部屋に帰って着替えて、実家に戻らないと」 「わかりました。奈津子伯母様には新年以来お会いしておりませんから、よろしくお伝えください」  “了解”、と戴智は東にキスをして抱き合い、ワインとセックスの熱に酔って眠った。

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