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第50話
東が戴智の引き締まった尻をつかむ。自分の方に引き寄せると、股間同士を擦りつけた。
「あっ…はあ…戴智さん…」
東はすでに硬くなって、下着を持ち上げている。思い切り擦ると、下着にシミが現れた。戴智は焦るような手つきで、東の下着をはぎ取った。
もっと感じさせてやりたい、めちゃくちゃにしたい。戴智の体はすでに熱く、下半身も硬くなっている。
「戴智さん…お願い…」
また、東が戴智の両頬を手のひらで包む。
「僕を縛っていじめてください。以前そうして、戴智さんが勃ったことがありましたから、ま毎回そうすればいいでしょう?」
“いじめてください”
その言葉に、戴智の背中をゾクゾクと走るものがある。戴智は東に正座をさせると、半纏を脱がせて帯をほどいた。東の手首を後ろ手に、帯で一つにまとめる。
着物がはだけ、屹立した中心はしずくが垂れ、恥ずかしそうに頬を赤らめる姿は扇情的だ。
「酒がもう無くて残念だな。残っていれば、東のそんな姿を肴に飲むのに」
酒は無い。だが、飲むものはある。戴智は東の前で身をかがめると、フェラチオをした。思い切り吸い、しずくを飲み干す。
「あっ…! 戴智さん…、いきなり…、ああっ」
しずくは飲んでも次々にあふれ出る。東の味を堪能した後は、くびれや血管の浮き出たサオを舌でなぞる。執拗なその動きは、まるで東の形状を記憶したがっているようだ。
「も…もう…出ます…」
戴智は顔を離した。
「少し早くないか? この間久しぶりにした時も早かっただろ。俺とセックスしない間、抜いてたのか?」
東は恥ずかしそうにうなずく。時々、戴智の体や声を思い出しては自慰をしていた。だが、戴智の愛撫には適わない。東はずっと射精したいのを我慢していた。
戴智は半纏を脱ぎ、着物をはだけた。
「東、俺の上に乗れ」
あぐらをかいた戴智の膝に、依然後ろ手のままの東がまたがる。
「ほら、ここにかけてみろよ」
戴智ははだけた自分の胸元を指した。そう指示したまま、東のものを触ろうとしない。
「…このまま…何もしない状態でイクのですか…」
ニヤリと笑い、意地悪そうな声音で戴智が言う。
「以前、手も触れない状態でイッたろ? あのときみたいな、いやらしいお前が見たい」
東のサオが、大きく揺れた。戴智の意地悪な声、鋭い目。触れていなくても、サオはエロティックなオーラに包まれて、手淫と同じ効果をもたらす。
「ずっと、俺のことを考えてオナニーしてたんだろ? 俺とのセックスを思い出してか?」
「は…はい…。戴智さんにいやらしいことをいっぱいされたのを…思い出して…」
話しながらも、サオは揺れる。
「ほう…具体的に話してみろ」
「キス…したときのこと…思い出して…同じように…舌…動かして」
クックッと笑い、戴智は東の顎をつかみ、親指を口の中に入れた。
「やってみろよ」
東の舌が、戴智の親指の周囲を這う。軟体動物のように器用にうごめき、指を吸う。
しばらく東のオモチャになっていた指を離すと、戴智は次の妄想を尋ねる。
「それから、何を考えた?」
向かい合って至近距離でじっと目を見つめられ、少しきつい言い方で尋ねられる。それでも東は、強い語気の中に、戴智の優しさと愛情が含まれていることを知っている。
「乳首を…いじられて…甘噛みされてから…痛いぐらいに引っ張られて…」
気持ちいいことだけでなく、受けた痛みも思い出す。
「声を出したら、はしたないなって…戴智さんにお尻を叩かれて」
「ドMな淫乱だな。そんな想像してたのか」
戴智の手のひらが、東の尻を叩く。
「あんっ!」
東のサオが大きく揺れ、しずくが飛んだ。
右の尻を叩けば次は左、と繰り返して叩く度に、しずくがあふれる。
そのとき、戴智の下腹部に反応があった。ズシンと血が一気に集まるような衝撃。
「戴智さんに…ご奉仕を…フェラチオをいっぱいして…」
口いっぱいに頬張り、唾液でぬめらせて顔を上下させる。
「戴智さんが…いい子だって…髪を撫でて褒めてくれるから…奥までくわえて…」
戴智は鞭の後に飴をくれる。だから、痛いことも思い出す。言葉攻めやスパンキングだけでなく、拘束にオモチャ、視姦。あらゆるいじめ方を脳内で再生した。
「僕は四つん這いになって…戴智さんのモノが入ってきて…奥まで突かれて」
袋同士がぶつかる音まで、再生される。いつもの自慰では、その辺りで袋が硬く上がってきて、射精感が訪れる。
「いっぱい…戴智さんとのセックスを思い出して…でも、本当は物足りなかったんです…!」
東の目には、涙が浮かんでいた。どんなに思い出をリアルに再生しても、本物には到底近づけない。
戴智の唇が重なった。舌が差しこまれる。正直に、思いを吐き出してくれたご褒美に、優しい“飴”を与えられた。
「…いい子だ…東」
「戴智さん…」
戴智の腹の辺りに、生温かい感触があった。東が射精したのだ。抜いていたという割にはドロリと濃く、オメガの割には量も多い。
最後の一滴が落ちるときには、戴智もまだ挿入していないにも関わらず爆発寸前だった。
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