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第16話 確かなもの。

「んっ……………ぁ……………ンっ」  遠くで聞こえる理雲の声。何しているんだ?そう思って目をゆっくり開けると、ガチャっと金属の音がした。手首の自由がない。恐る恐る上を見上げると、しっかりと手錠で固定されている。  確か気絶、というか眠ってしまって。そしてそれから?妙に身体が熱くて呼吸が荒い。風磨は体調の違和感を感じていた。 「んっはぁ……………おは、よう。んぁっ……………フウっ……………」 「ん?って……………な、何してるんだ!?」 「何って…………んっ、オナ、ニー?あぁっ!」  全裸で気持ち良さそうに身体をくねらせる理雲。そのお尻にはローターが挿し込まれていた。反り返ったモノを自分で弄る理雲は、もうすでにトロットロだった。  ローターが入っているのに、さらに指を深くまで入れて前立腺を攻める。理雲は何もできない風磨の前で快楽に溺れていた。 「はぁ……………んっ、気持ち、……………っぁ!」  グチュっといやらしい蜜の音が響きわたる。風磨はそれだけで興奮し、すでにアソコがきつそうだ。 「ふぁ…………フウ、凄いことに、なってるよっ!ぁん……………ジュースに入れた媚薬と睡眠薬……………つぁ……………しっかり効いたみたいだね……………」  途切れ途切れに言葉を絞り出すように言う理雲。腰を魅力的に揺らす彼を見ているだけで、風磨のモノは反り返っていった。  理雲は喘ぎながら風磨のズボンを下ろす。そして何も言わず口に含んだ。 「んっ……………」  ビクッと反応する風磨。理雲は落ちてきた髪を上げ、自分のを弄りながら舐めあげていく。少し甘噛みをして、下から上にすっと舌を這わせると声が漏れてくる。  ローターの弱い刺激が続く中、理雲もそろそろ我慢できなくなってきた。もっと、もっと強い痺れる刺激がほしい。 「理雲…………?っ、あぁ!?」 「んっ、ひゃ、あぁぁ!」  上に乗っかって、ズンと挿れる。中に入ったままのローターが知らない領域まで入り込んできた。目がチカチカして、挿れただけで軽くイッてしまう。  見れば風磨もぎゅっと目を瞑って快楽に耐えている。ローターの振動が先っぽをずっとくすぐっているのだろう。彼の腰も揺れている。理雲はあまりの快楽に腰が抜けて動くことができなかった。 「り、く……………手、解いてっ。自分で理雲を…………ぁ、抱きたいっ」 「はぁ…………あぁっ」  理雲は震えながら手錠を解いてくれた。手が自由になった瞬間、風磨は理雲を抱きしめた。そして腰を掴み深く突き上げる。 「ぁっ!あぁん、ふぁ、はっ、ああ!」 「くっ………はあ、ぁっ……………」  グチュグチュと音がいつもよりも響く。それだけトロトロで、それだけ快楽が増す。理雲はいつにもまして大きな声で鳴き、綺麗な涙をポロポロと流す。  絶頂に近づいてきたとき、風磨はカチっとローターの出力を最大にした。 「あ、あ!っ〜〜、ああっ!!」 「んっ!くっ、ぁああっ!!」  ドクっと欲を勢いよく吐き出す。痙攣が止まらない理雲は若干意識が飛んでいるようだ。ローターのスイッチを切って取り出せば、ドロっと白い液が絡まりついている。  二人はベットに倒れ込んだままキスを交わした。力が入らないのか、優しく緩やかな口付け。だんだんと理雲の瞳が閉じていく。 「おやすみ、理雲」  二人の恋は歪んでいる。騙し騙し合い、それでも決着がつかずに泥沼に沈んでいく。それでもこうして夜を明かすのは、そこに確かに愛があるからだった。

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