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第70話

「たっ頼むから誰か本当に助けてぇぇえ!」 と真っ赤になりながら悲鳴をあげたら、幸いにも隊長さんたちが部屋に突入して来てくれて助けられました。 ほ、本当に良かった。 変に興奮していた書記さまは羽交い締めにされ再び捕縛後、床に転がされました。 「ひどいッ、嘘つき!」とか叫んでたけど、こめかみに青筋の浮いた笑顔の隊長さんにガムテープで口を塞がれて、うーうー唸ることに。 ……本当に大丈夫なのか、主従関係。 「わんわん君、大丈夫でしたか」 「わんわん無事だよね、まだ何もされてないよねー?」 「まだ、って何かあるわけねーだろ糞チャラ男」 「どこか痛いところはありますか?」 「わんわん君ごめんなさい、先輩も悪気は無いと思うんです。どうか許してあげてください」 全員(?)に心配されるうちにまた森でのことを思い出し、何かもう……犬扱いされようが別に良いかなって気がしてきたり。 考えても疲れるだけだからね、人間は諦めが肝心らしいよ。 お金持ち過ぎて言動が非常識なのは問題だが、皆さま根は悪い人たちじゃないみたいだし。 今回の勝手な引っ越しについても一人部屋は自由がきいてラッキーと思えばまあ、うん。元同室者のアイツ含め、許せなくもない。 なんて、その後すぐ(書記さま放置で)隣の新しい俺の部屋を見せてもらったら広いし備え付け家具も豪華だしで一気にテンション上がりました。 すっげえぇぇえ! いくらなんでも役員優遇され過ぎだろ。 巨大なテレビと広々ゆったりソファー、足元にはふわふわラグが敷かれててめちゃくちゃ気持ち良い。 サイドボードの上には新旧様々なゲーム機とソフトまで並んである。ちなみに俺は家庭用ゲーム機・据え置き型派です。携帯型やアプリでも遊ぶけどね。 他にも読みたかった漫画が全巻揃って本棚に並び、タブレットからは好きなタイトル読み放題。ドラマや映画も見放題。 かごに入った色とりどりのボールやロープはもしや犬の遊び道具……いや、きっと楽しそうなオブジェの一種だな。うん。 大好きなお菓子の袋の山がテーブルの上にあって喜んでたら、期間や地域など限定生産で世界的にも大人気のおまけ付き食品シリーズ(コンプリート絶対不可能との噂あり)が棚に入ってます。ちょおおお、俺が前からずっと欲しかった幻のバージョンもあるよっ!? .

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