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第85話

書記さまに抱き込まれて寝たせいか、体が少しベタついてるんだよなぁ。早くさっぱりしたい……。 「でしたら、フロア専用の大浴場もありますよ」 「一般の生徒は入れないから安心・広々~でおすすめだよ。わんわんが行くなら俺も久しぶりに行こっかな」 「まあ、会長として直々に案内してやらんでもない」 「たまには皆で開放感あふれる朝風呂というのも良いですね」 「え、あの俺」 「んむー!? ふんむっ、ふむっんぐむ、ふんんんー!」 「ハハッ、何言ってるんですか。書記さまは当然ダメに決まっているでしょう。それにしても残念ですね、せっかくわんわん君とのお風呂の機会が……チッ……せいぜい愚かな自身の行為を悔やみやがれ、クソ!」 隊長さんの言葉は途中からよく聞こえなかったけれど、笑顔がひたすら怖いです。 書記さまを縛り上げる縄が頑丈な鎖にレベルアップしているのも、怒りの強さの表れだろうか。 毎日毎回ありがとうと、ごめんなさい。 ということで、今から皆で大浴場に入るそうです。俺に拒否権は無いんだよね、うん知ってた。 *** 一般生徒と、生徒会役員の皆さまでは入れる大浴場が当たり前に異なる。 同じだと大騒ぎになっちゃうからね、特に親衛隊の人達とか。 利用時間などの制限もあり混雑することが多い大浴場。 運動部連中くらいの体力や根性が無いとさすがに毎日行く気にはなれない、ともっぱらの評判である。 子供の頃から家の小さな風呂よりも、皆でワイワイ楽しめる広い銭湯が好きだった分、すごく残念ではあるけれど。 筋肉ムキムキ野郎どもひしめく芋洗い状態の暑苦しい入浴は……想像以上にきつかった。 おかげで大浴場へはまだ数回しか行ったことがない。ずっと寮部屋のシャワーを使ってたし。 だから 「ふぅー、極楽極楽♪」 ほぼ貸し切り状態の専用大浴場だなんて、めっちゃくちゃ最高です。実に素晴らしい! 「あはは、わんわんが風呂好きのお年寄りみたいになってるー」 「ふん、どうやら気に入ったようだな」 「熱くないですか、わんわん君。本当に大丈夫ですか?」 「大浴場でのんびり朝風呂というのも気持ち良いもんですね。……先輩も一緒に入りたかっただろうなぁ」 .

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