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第10話(R18)

「あっ……」  まず、真宮はシャツやパンツといった衣服に手をかけられた。シャツのボタンがホールからはずされ、パンツも留め具が音を立てて、下ろされる。  だが、一気に衣服が剥がされるのではなく 「あ、まだシャツははだけさせるだけにしてくださいね」 「ああ、いきなしひん剥くのもお楽しみがねぇって事?」 「ひん剥く……って。まぁ、着衣も興という事でしょうね。下は良いですよ。じらすのも一興なので残念ですが、確かめないといけない事もありますし」  塩沢の直接的な物言いに辟易しつつ、曽根は含むように笑う。その曽根の言葉に従うように、冴島は真宮をちらりと見ると、太ももを撫でるようにして、パンツから足を引き抜いた。太ももの撫で方と言い、パンツの引き抜き方と言い、それは遠慮と蹂躙のバランスが実に良く、真宮はすっかり骨抜きにされたという感じだった。  心を捕らわれていた。  しかしながら、その状態からまた真宮は現実に引き戻される。 「腰、浮かせて」  真宮の腰の下には真宮の負担を減らす為なのだろう、よく病院の診察室などで見かける硬めの枕が冴島によって挟み込まれる。気がつくと、既に下着も右の踝にひっかかっているだけで、何も身に着けていない真宮の下半身はペニスは勿論の事、アヌスまで晒すように開かれている。しかも、それだけではない。いつの間にか、その脚が開かれたまま、天井にぶら下がっているバーに乗せられ、太ももから足の爪先は宙に浮いていた。 「少々、足が吊ると思いますが、少々、調べないといけない事もありましてね」  曽根はそのような事を口にすると、何かのチューブを真宮に見せつける。頭上から照らされるライトが眩しくて、真宮にははっきりとは見えなかったが、その次の瞬間に何をする為のものかが分かった。 「うっ……!」  真宮の暴かれたアヌスの入口を押し広げると、曽根は真宮の直腸へと指を進める。真宮にとって、この事は初めてではなかったが、医療用の薄いゴム製のグローブをはめた曽根の指の進め方には無理がない。月並みな言い方ではあるが、慣れていると真宮は思った。 「それでは、これから、チューブを入れます」  その言葉通り、チューブを真宮の直腸へと押しやられる。多分、チューブの先端には潤滑油のワセリンなんかが塗られているのだろう。真宮の整った顔立ちに皺を作りながらも、チューブはこの場にいる面々の思いの他、滑らかに腸の中へと消えていく。 「次に薬を入れます」  曽根が真宮に告げると、やがて人肌ほどに暖められた液体が真宮の体内へと流れ込んでくる。そのスピードとしてはゆっくりなものだが、次第に腹部が張ってきて、苦しくなってくる。 「何だか、苦しそうだけど、大丈夫?」  3人の男達の中で一番、白衣の似合っていない塩沢だ。すると、曽根は極力、沈黙を通している冴島に意見を尋ねる。  当の冴島はといえば、真宮の歪んでしまった表情を凝視して、言葉を発さなかった。 「冴島さんが言えば、痛みを和らげる為に乳首や亀頭などに触れる事も考えましたが……そのまま、いきましょうか。それにその方がこの淫乱な被験者さんも良さそうだ」  曽根はくすぐるような声色でそんな事を口にすると、規定の薬液が真宮の腸内へ収まるのを認めると、チューブを抜いた。

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