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第11話(R18)
その液体がアヌスの入口へと推し押せてくる苦しみの中、真宮の頭の中は冷静だった。
例えば、少し口元を上げている曽根という男は口調や動作は丁寧ではあるが、割と残酷な面を持っているのではないかと思う。その反対に、塩沢という男は言葉の節々に軽薄な印象を与えるものの、この中では一番、愛のあるセックスをしてくれそうなタイプかも知れないと思う。
それに、と真宮は自分の事を尋ねられても、無言で通した冴島を見た。先程と同じく、天井から落ちてくるような強い光に照らされている事もあるが、真宮の帽子を深く被り、色の濃いサングラスをかけていて、表情は分からない。
ただ、真宮は冴島に好意を感じ呼吸が乱れてしまう。理由もなく、冴島に惹かれてしまう。
「はぁ、はア……」
真宮の腸内に薬液が入れられてから、時計の上ではそれほど、時間は経っていなかった。しかしながら、真宮にとっては長い時間だった。曽根は腹部をマッサージさせていた塩沢にやめるように告げると、ステンレスでできた容器を真宮のアヌスに宛がう。
うぅ、と苦しそうな真宮の声と共に、その銀色の容器には真宮の体内に入り込む前と同じく、全く濁りがない液体で満たされていく。
「どうやら、村井様との約束は守っていただけたようですね」
曽根は真宮の腸内の美しさに満足げに笑っているが、真宮の呼吸は腹部からの圧迫から逃れた事から乱れていた。
「では、私は好きにさせていただきますか。貴方も冴島さんも好きになさってください」
「ァっ!」
曽根が真宮の下腹部を撫で、それに真宮は耐え切れず甘い声を出す。すると、曽根に貴方と呼ばれた塩沢が嬉々として、声を上げた。
だが、その塩沢の声は真宮には聞こえなかった。
「ぅン……」
「はぁあん」
真宮の耳には冴島の吐息だけが聞こえてくる。本来、閉じているのであれば、顔の左から右に走っている唇は冴島が真宮の横たわる診察台の傍らに立っている事によって、縦に伸ばされる。
「熱いねぇ」
「まぁ、結構じゃないですか。ただ、私も久し振りなのでね。対価をいただいているとは言え、楽しませていただきますよ」
二人だけの世界に行ってしまった真宮と冴島を見ると、塩沢は真宮の耳元へと向かう。曽根は何に使うのか、注射をうつ時などに使うゴム管を準備していた。
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