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第25話(R18)
ただ、陣内が何も言わない事が分かっていたのか、すぐに何事もなかったように話題を変えた。
「それより、君は……」
「ひっ」
陣内は小さく声を上げた。
というのも、逢坂が突然、陣内の太腿を撫でる。そして、その冷たい手は内腿の肉と体温で温かくなったシーツの間に入り込み、指はやがて、アヌスに触れ出す。
その感覚に陣内はゾクリというよりも、冷たさ、そして、痛みが走った。
「やりすぎだ。こんなにしなくても、便意がない時は君が考えている程、腸は汚れていないんだから」
それは、逢坂が命じた3つ目の指示だった。
腸内を綺麗にする。そのために、アヌスに薬品を入れる事も、強制的な便意によって、排泄する事も。陣内にとって、そのどれもが未知の事だった。
「う……」
陣内の足は僅かに開く。おそらく、無意識だろう。暴れる程ではないが、痛いので、もうこれ以上は触れて欲しくなかった。すると、逢坂の指は離れていった。
そして、ベッドサイドの収納スペースを開ける音が陣内の耳に響く。何が始まるのだろうと思い、陣内はおそるおそる、逢坂に声をかけようとした。
かけようとした。逢坂の言葉の方が一呼吸、早かった。
「薬を塗るから楽な格好で足を開きなさい」
その命令に荒さはなかった。
彼が手にしていたのはオレンジの蓋のついた薬のチューブで、その蓋が取り外されると、白い軟膏を指で掬い取った。
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