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第34話(R18)

 7月になったとは言え、明るい時間はずっとは続かない。  昼夕と過ぎ、夜はあっという間に来た。それから、朝が来て、その繰り返しだ。  陣内は部屋の掃除をし、段々、億劫でさぼりがちだった夕食作りもするようになった。生活は以前のものに戻りつつあった。  以前の、それは逢坂のマンションで過ごす前の生活だ。  しかし、陣内には1つだけ、変わってしまった事があった。 「あっ、あぁっ……」  乳首に片手をかけ、もう片手には性器を緩やかに握り締めている。硬く反り上がったペニスの裏筋を撫でながら、時間をかけてねちねちと愛撫する。 「はぁう、んっ」  今まで、陣内は気が向いた時に強く扱いて、処理をしていた。  勿論、彼女とつきあっていた頃はそれなりにセックスもしたが、こんな風に、毎日、愛し合っていた訳ではない。  女性の柔らかな胸、甘やかな喘ぎ声。  ただ、今は逢坂の滑らかな指と甘いだけでない逢坂の声で、存在で追い詰められたい。  そんな事を考える今の陣内は明らかに異常だった。 「んっ、んっ……」  陣内は尿道口をティッシュで拭い、ゴミ箱へと捨てる。再び、ベッドへ転がろうとすると、脱ぎ散らかした服が目についたが、そのままにベッドへ横たわる。  何かに満たされたくて、1日に2回、3回と回数、ペニスを扱く。水のような、濃度を失った精液が勢いもなく、出てくる。  しかし、渇いた心は枯れてしまったのではないかと思う程、何も感じなくていた。 「せ……んせ……せんせ、い……」  切なげに呟くと、陣内の指がまた唇をなぞる。指を強く当て、陣内の目を硬く閉じられる。  逢坂のキスを思い出して、もう1度、自分自身を慰めた。

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