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第39話(R18)

「ああ、ジン? 気がついたんだね?」 「柚木? どうしたって……えっ?」  次、目が覚めた時、陣内はよく知った場所にいた。  そして、柚木とは別に、よく知った人物もいる。ここはそのよく知った人物の研究室だった。 「やぁ、陣内君」 「せ、先生……」  自分を「陣内君」と優しく、艶めいた声で呼ぶ人間はこの世でたった1人、逢坂しかいない。  支離滅裂な展開。これが夢なのは傍から見ても、明白だ。  しかし、夢を見ている本人にはそれが夢であるという考えが失念しやすいものだ。それは、今の陣内にもそれは当てはまった。 「さぁ、柚木君。君のお手前を見せてもらおうか」 「はい、逢坂先生」 「え……」  向かってくる、友人である筈の男。  何かに張りついたように動かない思考。陣内は何も言えなかった。  身につけているものを剥がれ、床に手と膝をつく事。それ以外。何もできなかった。 「あ、ゆ……きっ!」 「何? ジン?」  囁かれる声はこの上なく優しい。  その一方で、その指は陣内の不安定な腰を捕らえて、性器を弄んでいる。  もう放せ。もうやめろ。  言いたい言葉は咽喉から出る事なく、消えていく。 「柚木……どう……して?」 「どうして? そんなの決まっているじゃない?」  好きだから、と笑う柚木は陣内の形の良い陰嚢を転がすように弄る。  陰茎からスッとした感覚が走る。  これがもし、自分の手でもたらしたものだったら、遠慮もなく、達せられる。それだけに憎らしい。  しかも、柚木に翻弄され続いていたが、ここには逢坂もいる。 「君も意地が悪いね。陣内君、苦しそうじゃないか?」 「先生にはかないませんよ……。というより、先生もお好きですね。人のを見ているなんて……」 「見るのもなかなか、面白いよ。それに、観察は研究の基本だ」 「じゃあ、今度、先生がジンをアンアン言わせているのも見せてくださいよ」 「ああ、良いよ」  気の合う研究者同士の、楽しそうな雑談は陣内の心を揺さぶる。  どうして、どうして……なのだろう。  嫌なのに、感じてはいけないと思っているのに、陣内の亀頭から滲み出てくる精液は床を汚す。  それから、隠される事なく、曝されたアヌスに柚木の指を捻じ込まれた。逢坂の指より細い、その指は陣内を苛め抜くようにじらしにじらして動き、前立腺に徐々に触れる。 「ゆ、き……いやっ、やだって……柚木っ……」  友人である男の名前を呼び、息を荒げ、床に顔も胸も預けたくなる。  そして、陣内は尻を突き出したまま、2度、3度と小刻みに薄い精液と前立腺液を床へとぶちまけた。 「はぁ……はぁ……」 「ジン……少し、早いよ。まぁ、逢坂先生よりも良かったからかな?」  柚木の笑い声が聞こえたかと思うと、頬や額といった唇以外の顔中にキスをされる。唇、クチビルにして、と陣内は譫言のように口にした。

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