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第2話 ~真生のお留守番編~
のんびりとした休日。
休みの日でも忙しい両親が仕事で留守にしている為、いつも以上に真生はのんびりとしていた。
気がつけば友人からのお誘い連絡が沢山入っていたが、面倒くさいので既読スルーをする。
真生にとって日常茶飯事だし、相手も「またか…」程度に思って諦めているだろう。
と、いうのは真生の勝手な想像だ。
事実、学校で会っても皆「真生、寝てたのか?」「今度こそ遊ぼうな!」と誰も怒らないのだ。
そんな関係だから真生も気楽で良かった。
もう少し寝ておこうかな。
なんて思っていたら何やら隣の部屋からガタガタと音がする。
煩いな~もう。
すっかり寝るタイミングを外してしまった真生は、ベッドからノソノソと這い出るとあくびをひとつ。
それから隣の部屋へと向かう。
「…どうしたの?」
顔を覗かせると、弟の慎が何やら片付けをしている。
珍しい。
「ぃや~、友だち来るから片付け。流石に汚いから」
いわゆるリア充というカテゴリの弟は片付けをする様なほど汚れてはいない部屋を綺麗にしている。
「…女の子?」
真生が訊ねると慎は首を左右に振った。
「いんや、男。…さて、こんなもんでいいか!」
慎はごみ袋を片手に立ち上がった。
「ついでに何か買ってこよ。家なんにもねーし」
そう言いながら慎は財布をポケットに押し込んだ。
「あ、もし俺が居ない間に来たら部屋にあげといて。ヨロシク」
それだけ言うとごみ袋をガサゴソ言わせ階段を降りていった。
「…一応着替えておこう」
こんな格好では、もしも会った時に恥ずかしい。
パジャマの一部を摘まんで、真生はそう呟いた。
それから暫くした後に家のチャイムが鳴らされた。
運命の音になるとは、その時の真生は知らない。
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