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~愛に性別なんて関係ない?!編~
「はっ、はじめまして、お邪魔してます!」
「いらっしゃい」
慌てて頭を下げる蒼真に、母親の涼子がイケメン蒼真にニコニコ顔だ。
その隣では父親の信一が視線を向け頷いた。
それを確認した真生は蒼真にペタッとくっつくと、とんでもない発言を。
「あのね聞いて~。このカッコいい蒼真くんは、なんと僕の彼氏でもあるのです~」とあっけなく両親に告白。
真生以外が衝撃を受けたのは言うまでもない。
「なっ、何を言っているんだお前達は!!男同士だぞ?!」
「男同士で何が悪いんだよ?!好きなんだから仕方ないでしょ、頭の堅い頑固親父なんて今時流行らないよ~っだ!」
怒鳴る信一に真生が子どもみたいに、あっかんべーをした。
「真生っ!!」
信一が叱りつけるが、真生は知らん顔だ。
「なら訊くけど、お父さんはお母さんが男だったら結婚しなかったってこと?好きでも?」
「そんなもしもの話をしても仕方ないだろ。お母さんと出会った時は女だった。だから結婚した」
信一がそう言った時だった。
しくしくと、わざとらしい泣き声が聴こえてきたのは。
「ぐすん、ぐすん。お父さんは私が男だったら結婚してなかったのね。私への愛はそんな薄っぺらい物だったなんて…!」
涼子が泣きながら慎の肩へと顔を伏せる。
「父さん、どうなの?」
明らかな嘘泣きの妻に戸惑う信一に、慎が視線をキッと向ける。
「えっ?いや、おい母さん。どうしたんだ?」
「どうしたじゃないわよ!ちゃんと答えてよ!貴方は性別ごときで無くなる程度の愛だったの?」
責め立てる涼子に信一は慌てて答えた。
「そんなワケないだろう?!お前が男でも女でも関係ない。…そのっ、愛、愛してないと結婚してない」
息子達の前でまさかの愛の告白に、信一は顔を羞恥に染めた。
すると、「やったわね、真生!!男同士でも好きならいいって!」
「わーい、お母さんありがとう!あっ、お父さんも認めてくれてありがとう!」
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